令和2年5月29日—群馬県議会会議録令和2年第2回定例会

—–以下引用—-

松本基志(自由民主党)
発言割当時間 45分

1 知事の県政運営について 知事
2 新型コロナウイルス感染症に係る対応について 健康福祉部長
(1) 医療体制の整備について
(2) 事業者支援について
①県内企業からの相談状況等について 産業経済部長
②事業者支援の取組状況について 産業経済部長
(3) 教育支援について
①市町村教育委員会との連携について 教育長
②学校再開後の生活支援について 教育長
3 防災・減災対策について
(1) 令和元年台風第19号による公共土木施設災害について 県土整備部長
(2) 避難所の運営について 危機管理監
4 Gメッセ群馬について 戦略セールス局長
5 群馬県綿貫観音山古墳出土品の国宝指定と今後の活用について 地域創生部長
6 道路整備の状況について 県土整備部長
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◆松本基志 議員 皆さん、こんにちは。私は高崎市選出、自由民主党の松本基志と申します。どうぞよろしくお願いします。(拍手)頑張ります。
昨年4月に初当選をさせていただき、5月の定例会で初めて一般質問をさせていただきました。そして、今回、2度目の一般質問の機会をいただき、心から感謝を申し上げる次第でございます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、本県でも貴い命が失われました。お亡くなりになられた方々に心より哀悼の誠をささげます。また、現在も治療を受けていられる皆さんの一日も早い御回復を心から御祈念申し上げます。そして、新型コロナウイルス感染症対策に御尽力をいただいております医療関係者をはじめ、全ての皆様に心より敬意と感謝を申し上げる次第でございます。さらに、自粛要請などに御協力をいただいてまいりました県民の皆さんにも、心から感謝を申し上げます。
それでは、この後、通告に従いまして発言席で一般質問を行いますけれども、今回の一般質問は、新型コロナ対策の一環で、持ち時間が45分です。その割には多くの項目を通告をさせていただいてしまいましたので、端的にお伺いをしてまいります。執行部の皆さんにも、簡潔な御答弁、前向きな御答弁をお願いいたしまして、発言席に移ります。よろしくお願いします。(拍手)
知事、お願いします。

○岸善一郎 副議長 知事、答弁席へ。

(山本一太知事 登壇)

◆松本基志 議員 知事、よろしくお願いします。
私は、知事とはもう長いお付き合いをさせていただいていますけれども、県議会で知事に対して一般質問を行うということは、本当に正直思っていませんでした。議会と執行部ということで、立場は違いますけれども、県民のためになるように、幸福度の向上につながるような議論にしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
昨年7月に、山本一太知事が誕生いたしました。そして8月23日の臨時会において、知事としての所信表明を行われ、その中で特に力を入れていくべき3つの課題を挙げられました。県民の幸福度を上げる、県民の新しいプライドを創り上げる、そして財政の健全化を図る。そして、その後、矢継ぎ早に発表されたいろいろな計画や、それを推進するための組織やチーム、まずスタートダッシュプランとしての全力疾走366プラン、ぐんま5つのゼロ宣言、中期財政見通しなどです。また知事の思いを実現させるための組織チームとして、自我作古チーム、熟慮断行チーム、行財政改革推進タスクフォースなどです。
そして、その後の10か月、CSF、10月の台風19号による甚大な被害、そして年が明けてからの新型コロナウイルス感染症の拡大といろいろな試練が続いていると思います。現在は有事あるいは非常時と言ってもよいかもしれませんけれども、知事は就任後の様々な試練に、ここまでしっかり取り組んでいただけたものと思っておりますし、敬意と感謝を申し上げたいと思います。
それから、知事のこの10か月間を拝見していて私が感じたのは、まず知事の情報発信力、もともと国会議員の時代から知事の発信力というのは大変有名でございました。そして、定例記者会見や臨時記者会見を積極的に行っていただき、昨日で71回目でしょうか。さらにオフィシャルなツイッターなどのSNSや、知事個人のツイッターやブログなどでの発信、今現在の新型コロナウイルス感染症は、災害と言ってもいいかもしれませんけれども、こういうときに知事が直接県民に対して語りかける、この姿勢は高く評価をさせていただきたいと思っています。
それから、冒頭申し上げたいろいろな計画などの中で、私が特に評価をさせていただきたいのは中期財政見通しでございます。持続可能な財政運営を行っていくための参考とすべきもので、しっかりと財政状況を捉え、知事が特に力を入れていくべき3つの課題のうちの1つ、財政の健全化への第一歩だと感じました。
また知事は、実は選挙中から基金残高についても言及されていました。特に今回の新型コロナウイルス感染症対策とか、あるいは自然災害に対応するには、やはりこの財政調整基金を積んでこなければ難しかったのかなと感じております。
そして、知事は就任時に法律や制度をつくるルールメーカーから、これからは現場で汗を流すプレーヤーとして、群馬県のために全力で働かせていただくとおっしゃっていました。
そこでまず、山本知事就任後10か月を振り返っていただきまして、この3つの課題を掲げ、取り組んでこられたプレーヤーとしての10か月はどうだったのか、所感をまずお伺いいたします。

◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。
昨日、ラジオ高崎のマケルナラジオというのに収録で出演をしました。忙しかったんですけれども、何で受けたかというと、ラジオ高崎に思いがあるからです。今から20何年前、ラジオ高崎がコミュニティーラジオとして初めて誕生して間もない頃に、いち早く若手議員として番組を、山本一太の番組をつくって、キャスターを務めたということなんですけれども。そのときに私の弟の同級生だった松本県議、それから亡くなった大崎てっちゃん、それからコバキン、そういう仲間たちが、スポンサーを取るといろいろ大変だろうからということで、みんなでお金を出し合って番組をつくってくれたというのを改めて思い出しました。もう本当に長い付き合いになりました。まさか、こうして議場で相まみえることになるとは思わなかったんですけれども、ぜひ高い志を持って頑張っていただきたいと思います。
松本県議から今お話しのあった10か月の所感ですが、もう大体振り返っていただいたので、細かいことは一々申し上げませんが、一言で言うと怒濤の日々、緊張の解けない、緊張の連続、決断の連続、こういう毎日でした。さすがに体力、精神力を消耗するときもありますけれども、私は群馬県で生まれて育ったので、やはりプレーヤーとして群馬県のために働けると、本当に大変ですけれども、政治家としてこれほどやりがいのあることはないと思っていますし、今までの人生でこういう時期はありませんでした。ですから、これからも全力でこの群馬県のために頑張っていきたいと思っています。
それから、もう一つは、やはり政治の要諦は危機管理だということを痛感しました。知事の役割は危機管理だというふうに、ひしひしとこれは感じています。その中で、これは松本県議にぜひ御理解いただきたいのは、県庁の職員の皆さんが、私が思っているよりもと言ったら失礼ですけれども、非常に優秀でモラルが高い人たちだったと。本当に助けていただきました。特に、今、新型コロナウイルス問題が始まってから不眠不休です。我々はある意味、公に奉仕する仕事なので、当たり前だと言われるかもしれませんけれども、それでも土日もありません。こうやって本当に必死に県民のために頑張っているということは、ぜひ松本県議には分かっていただきたいと思っています。
短く言いますけれども、4つのことが大事だと思いました。4つのキーワードがあります。山本県政の特徴にしていくべきことだと思っています。1つは、県庁職員の潜在力、能力を最大限に発揮できる環境をつくること。2つ目は、市町村長との連携、市町村との連携を強めていくと。県だけやっても市町村と足並みがそろわないと、絵に描いた餅になってしまいます。3つ目は、県議会との安定した関係。やはり是々非々の議論をやるということはあっても、いざというときには県議会に議決をしてもらわなければ何もできないので、これもとても大事だと思います。4つ目は、松本県議がおっしゃった情報発信。特にこういう新型コロナのような問題が起きている非常時だからこそ、昨日も合意の大切さということを質疑で指摘をされましたけれども、タイムリーな情報の共有、この4つがやっぱり物すごく大事で、実は各都道府県知事を見ても、この4つがちゃんとできている人たちは少ないです。ですから、この4点を知事として大事にしていきたいと。今、新型コロナウイルスをめぐる戦いは長期戦だというふうに言っているんですけれども、長期戦に耐え抜くためには、知事のパフォーマンスだけではとても駄目だと思います。これは、この4つをしっかりと整備することが長期戦に備える対応をつくることになるのかなと思います。
情報発信は、もう繰り返しません。いろいろと御指摘をいただいて、ありがとうございました。ブログもツイッターも全力でやっています。ブログは、多いときは1日10万回ぐらいアクセスがあります。ツイッターは今23万回ぐらいなんですけれども、そういう数字もよく見ながら、どういう発信をしたら一番効果的かということも考えています。記者会見71回、これは1回も無駄なことはありません。定例記者会見は1週間に1回なんですけれども、どうしてもやらざるを得ないことが多くて、みんなで議論しながらセットしています。
それから、メディアミックス。これは松本県議とかを含めた若手の人たちから実は個人的にいろいろ提言いただきました。地元の群馬テレビをもっと活用したらどうか、FMぐんまともっと連携したらどうか、コミュニティーラジオともっと連携したらどうか、あるいは市町村ともっと力を合わせていったらどうかと。防災無線から回覧板まで、ありとあらゆる方法で、とにかく県民の皆さんに正しい情報を届けるということを心がけてきました。特にぐんま広報を活用しろという松本県議の御提案はちゃんと実現をして、ぐんま広報という形ではないんですけれども、実はこれは新しい形になりますけれども、紙の媒体も充実させておりますので、今言った4つのキーワードを頭に山本県政のスタイルというのはつくっていきたいと思いますし、苦しい時代も長期戦の中でも安定して県民のためになる政策が実現できるような体制をしっかり県議会の御協力も得ながらつくっていきたいと思います。

◆松本基志 議員 知事、ありがとうございました。ラジ高の話は懐かしかったですね。シンプルメッセージという題で、知事が参議院議員に初当選なさった25年前ですかね。私の同級生たちと一緒にお手伝いをさせていただいて、週に1回で、知事が帰ってこられなくても、私たちで放送させていただいたということを思い出しました。その当時から、やっぱり情報発信ということは本当に気にかけていらっしゃったんだなと、今振り返ってみても、そう思いました。
今、4つの知事としての重点ということもお話を聞きました。職員の皆さんの潜在力というお話しありましたけれども、私も議員になって21年、途中、間が空いたんですけれども、私は市役所だったけれども、市役所の職員は本当に優秀だし、県庁、県議会に来ても、県の皆さんも本当に優秀だと感じています。これは、やっぱり財産だと思うんですね。例えば群馬県に何の財産があるか、大きな財産のひとつはやっぱり県庁の職員だと思っていますので、これをしっかり知事のリーダーシップで、使うと言うと言葉が悪いのかもしれませんけれども、総力を結集して、また県政に取り組んでいただければ本当にありがたいなと思っています。
それから情報発信の件で言うと、ネットが使えない層というのがいらっしゃるので、ちょっと知事も今触れていただきましたけれども、記者会見にしても、それを群馬テレビでも導入してくださったと。記者会見、群馬テレビについても、手話も私は最初、ちょっとだけやらせていただきましたけれども、手話についても、自民党からも要望させていただきましたが、すぐにこれも対応していただいたと。紙媒体はすごく大事だと私は思っていまして、本当にネットが見られない人は、とりあえずテレビがあって、そのほかは紙ですよね。私も地元では、新型コロナについてはちょっと配らせていただきましたけれども、今でもうちの中に貼っているよと言ってくださる方もいるし、ネットが使えない方のための、そういう情報発信というのもぜひ続けていっていただきたいと思います。
情報についてはそれで終わりにして、あと1点、財政の健全化についてちょっとお伺いしたいと思うんですけれども。知事の3本柱の1本として、これまでどのような取組をなさってきたのかということと、今現在の新型コロナ対策で県独自の政策も打ち出していただいていて、国からの交付金というのもありますけれども、財調も取崩しをしているという中で、今後の財政健全化に向けてどんなお取組をするのか、御所見があればお伺いいたします。

◎山本一太 知事 質問ありがとうございます。
松本県議の前回の質問、最初に質問でしょうか、その中で財政問題を取り上げてこられて、例えば実質公債費比率とか臨財債の話までされていると。本当に財政改革、恐らく市議の頃から一生懸命取り組んでこられたんだなと、その点は敬意を表したいというふうに思います。
私が知事になって、初めて昨年10月、中期財政見通しというのをつくりました。これによると、毎年200億円赤字が出るという衝撃的な結果になったんですけれども。これを受けて熟慮断行チームというのをつくって、既存事業を思い切って見直すと。しかし、将来のいろんな富を生み出すものにはしっかりとつけていくというような、めり張りをつけた方針を打ち出して、例えばネーミングライツの導入とか、ふるさと納税の積極的な活用とか、こういう歳入確保にも努めてまいりました。その結果、松本県議に今言及していただきましたが、財政調整金残高、当初予算編成時、前年度15億円だったんですけれども、何とか37億多い52億円まで確保できたということです。それから、県債残高の抑制も何とか図ることができたということで、目指すべき財政運営の小さな一歩ですけれども、一歩を踏み出すことができたというふうに思っています。
ただ、その後、コロナ対策もあって、財調52億円を取り崩しました。本当だったら100億円以上あったんですけれども、残念ながら、こういうときのためなので、これを取り崩しまして。これから財政はさらに厳しくなってくると思います。景気の影響が出てくれば、税収も、県税収入に減ってくるということなので、これは財政の健全化をよく考えて、これから第2次の臨時交付金もやってくるので、もちろんこれはしっかり新型コロナ対策に充てるんですが、財調を積み上げるということも頭の中に置きながら使っていきたいというふうに思いますので、ぜひこれからも、財政健全化については、いろいろと後押しをいただければ大変ありがたいと思います。

◆松本基志 議員 ありがとうございます。今、財調の話がありましたけれども、よく出る議論で、財調が本当は幾らあればいいんだろうというのがあって、標準財政規模の約10%、本当は5%から20%という議論の中で、都道府県においては10%ぐらい必要だろうと。そうすると、まだ本当のこと言うと、かなり低い水準なんですけれども、これは今回の新型コロナの関係もあるし、そういうときのためなので、これは今後も、ぜひ健全化に向けてもお取組をお願いをしたいと思います。
もう1点、総合計画を今策定中ですけれども、昔から思っているんだけれども、計画をつくるときには、やっぱりしっかりと財政的な裏づけが必要だろうと思っているんですよ。県の過去の計画も拝見しましたけれども、財政計画というのは全然触れられていないので、今後つくるに当たっては、やっぱり財政計画を含めた総合計画をつくっていただきたいということを1点要望させていただきたいと思います。
それから、新型コロナウイルスの影響で、3月から4月、5月もイベント等も大分中止になっていて、昨日の井田議員との議論の中でもありましたけれども、その辺の予算の組み替えというのも多分必要になってくるんだと思うので、その辺についてはぜひ柔軟な対応をしていただきたいと思います。
さらにこの状況が続いていくと、来年度の税収というのは多分落ちると思うんですよね。それに向けた考え方というのをしっかりしていく必要があると思っています。他方、やっぱり事業者にとって今回は本当に厳しい状況に、この後また議論させてもらいますけれども、厳しい状況になっているので、やっぱり経済を回すという部分については、使うべきものはしっかり使っていっていただくということが、これも重要だと思いますので、その辺も含めてぜひお願いをしたいと思います。以上でこの件については終わりにします。知事ありがとうございました。
健康福祉部長お願いします。

○岸善一郎 副議長 健康福祉部長、答弁席へ。

(武藤幸夫健康福祉部長 登壇)

◆松本基志 議員 続いて、新型コロナウイルス感染症に係る対応についてお伺いをいたします。
緊急事態宣言が解除され、さらに本県でも、明日ですか、5月30日から警戒度が3から2に引き下げるということでございます。ただし、この新型コロナウイルス感染症が収束したわけでもなくて、今後、第2波、第3波に備えなければいけないのではないかと考えています。
そこでまず、医療体制の整備についてお伺いしたいと思いますけれども、新型コロナウイルス感染症対策病床及び医療器材について、これまでの確保状況及び稼働状況はどうなのか、また第2波、第3波に備えて、さらなる整備が必要と思われますが、どのようなお考えか、簡潔にお願いいたします。

◎武藤幸夫 健康福祉部長 お答えさせていただきます。
まず、新型コロナウイルス感染症患者のための病床ですが、現在は170床を確保してございます。ピーク時には107名の方が入院されておられまして、稼働率は75%でございました。現在は15名の方が入院されていて、稼働率は9%でございます。
それから重症者向けの機材でございます。現在は、ECMO、人口肺、これが7台、それから人工呼吸器が23台用意してございまして、ピーク時におきましてもECMOが2台、人工呼吸器9台が使用されているという状況でございました。
これから秋以降といいますか、第2波、第3波に向けましては、ベッド数としましては280床の確保を目指しております。また重症者用のベッドとして50床程度を考えておりまして、ECMO54台、それから人工呼吸器50台が必要と考えておりまして、これは今月11日の臨時議会におきまして、これらの購入経費、補助費等につきましては御議決をいただいたところでございまして、医療機関が迅速に整備できるよう対応していきたいと考えております。
今後、見込まれる第2波、第3波に向け、医療提供体制の整備を計画的に進めることによりまして、県民の皆さんの安心感を持っていただけるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

◆松本基志 議員 部長、ありがとうございます。先ほど職員の皆さんは頑張っていらっしゃるという話がありましたけれども、武藤部長にも、本当に今回のコロナ対策で頑張っていただいていることには心から敬意を表したいと思います。今後もかなり用意をしていただいているということなので、ぜひ油断することなく今後の対策をお願いいたしまして、部長には以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
産業経済部長、お願いします。

○岸善一郎 副議長 産業経済部長、答弁席へ。

(鬼形尚道産業経済部長 登壇)

◆松本基志 議員 次に、事業者支援についてお伺いをしてまいりたいと思います。
私も知り合いの事業者の方からいろいろと現状についてお話をお伺いしていますけれども、やっぱり当初は飲食業とかイベント、観光産業等が大変厳しい状況にあったと。その後、製造業、建設業など多くの業種にも大きな影響が出ているようでございます。
そこで、この感染症の感染拡大によって、県ではワンストップセンターをはじめ各部で相談も受け付けていると思うんですけれども、経営に影響を受けている県内事業者からの相談状況というのはどうなのか。さらに解雇や雇い止めや県内経済に対する県としての現在の認識をあわせてお伺いいたします。

◎鬼形尚道 産業経済部長 お答えいたします。
先に日本銀行前橋支店が発表した5月の金融経済概況、これによりますれば、県内景気はこのコロナの影響で厳しさを増しているというふうに分析されております。また、御指摘のように、今、群馬労働局から情報を得ておりますが、新型コロナウイルス感染症に関連した県内での解雇や雇い止め、5月20日時点で163人に上ります。雇用情勢が大変厳しい状況になってきております。
こうした中、3月23日に庁内に設置いたしました感染症対策県内企業ワンストップセンターには、昨日までに7,221件の相談が寄せられております。特に4月17日の緊急事態措置による休業要請以降、相談件数は急増しておりまして、資金繰り、経営、労働の専門相談窓口と合わせた延べの相談件数は8,000件を超えております。
御指摘のとおり、相談当初は観光業、宿泊業、飲食業などからの問合せが目立っておりましたが、その後は様々な業種から幅広い相談が寄せられております。最近では、製造業からのものも多くなっております。内容といたしましては資金繰りに関するものが最も多く、先行きを懸念する事業者が非常に多いことが分かります。また、雇用の維持に関する相談も多く、中小企業を中心に県内の労働環境が厳しさを増していることがうかがえます。
こうした相談に対しまして、国の持続化給付金や雇用調整助成金、また県制度融資による無利子・無担保融資の利用を進めるなど、特に資金に関する支援メニューの紹介を中心にひとつひとつ丁寧に対応しているところでございます。
直近では、相談件数自体はやや落ち着きを見せておりますが、感染拡大防止対策を徹底しつつ、いわゆる新しい生活様式を定着させていくには一定の時間を要するということでありますので、県内経済の回復にはしばらく時間がかかるというふうに考えております。

◆松本基志 議員 ありがとうございます。本当に厳しい状況なんだと思っています。
そこで、今、資金繰りの話とか雇用を維持するための話というのがございました。県で創設をしていただいた制度融資、新型コロナウイルス感染症対応資金とか、あるいは雇用調整助成金の申請者の負担を軽減するということで、この間、補正の中でもありましたけれども、この支援をするとか、あるいは休業要請を行った方に対する支援金、これらの実績についてちょっとお伺いしたいと思います。

◎鬼形尚道 産業経済部長 事業者支援の現状でございます。
まず、制度融資についてでありますが、事業者の資金繰りを支援するため、4月1日から開始した新型コロナウイルス感染症対策資金の利用実績でございますが、4月末時点で866件、融資額約149億円となっており、足元で県内事業者の資金ニーズは急増しております。このため、本議会におきまして融資枠を400億円増額いたしまして、総額で600億円とする追加補正予算をお願いしているところでございます。
また5月1日には、国の緊急経済対策による民間金融機関を活用した制度融資、こちらのほうもちょっと名前は似ているんですが、新型コロナウイルス感染症、こちらは対応資金でございます。これを新たに設けまして、過去最大となる2,000億円の融資枠を設定いたしました。全国トップクラスの最長7年間の利子補給を行って、県内中小企業・小規模事業者の資金繰りに万全を期しているところでございます。
次に、感染症対策事業継続支援金、いわゆる20万円の支援金でございますが、こちらのほうは今月13日の受付開始以降、昨日までに7,376件の申請を受け付けております。本日から支給を開始いたしました。厳しい状況にある事業者の方々に、できる限り早期に届けられるよう、引き続き迅速な審査と支給に努めたいと考えております。
また国の雇用調整助成金につきましては、事業者の円滑な申請を支援するため、群馬労働局及び各地域の商工会議所などと連携いたしまして、社会保険労務士による個別相談及び提出書類の作成支援などを行っており、今月11日から支援を希望する事業者の募集を開始したところでございます。
事業者の支援につきましては、現在、国が第2次補正予算において措置を検討しておりますが、県といたしましては、その内容も見極めながら、県としてできることをさらに検討の上、引き続き雇用の維持と事業者の事業継続に万全を期してまいりたいと考えております。

◆松本基志 議員 ありがとうございます。この制度融資はすごい好評で、国が3年間、利子補給すると。その後、県が4年持つということで、多分、全国でもトップクラスの補助なんだと思います。事業者の方はもちろんですけれども、金融機関からもそういう声が聞こえてくるので。
1点、12月末までの申込みになっていますけれども、融資枠が2,000億は本当に大きいんですけれども、今現在、売上げが企業なんかで15%落ちていないと、でも今後を考えると多分15はいっちゃうんだろうという中で、2,000億が終わったらどうするのという御相談も来るようになっているんですよ。先ほどの国の2兆円の話もありますし、群馬に幾らか来るか分かりませんけれども、その辺については、もし枠が万が一なくなった場合も、ぜひ柔軟な対応をしていただきたいなということをお話をしておきたいと思います。
それから、20万の支援金の関係なんですけれども、これも昨日の一般質問の中でも要件緩和みたいな話がありましたけれども、実際にあのとき、ゴールデンウイークのときに、外出自粛は県民の皆さんに呼びかけていて、それで休業要請が出ていなかった業種がやっぱりございました。その中でも3密を避けるとか、お客さんも来ないみたいな話の中で、実際には自粛をしてくださっていた業種も結構あるので、その辺についても、この支援金では拾えないのかもしれないですけれども、何か今後、大変厳しい状況みたいなので、ぜひその辺についても、今後の中では御検討をいただきたいと思います、ということをお願いして、部長、終わりにしたいと思います。ありがとうございます。
教育長、お願いします。

○岸善一郎 副議長 教育長、答弁席へ。

(笠原 寛教育長 登壇)

○岸善一郎 副議長 残り15分です。

◆松本基志 議員 教育長に教育支援についてお伺いをいたします。
ちょっと時間がなくなってきちゃって、早口で本当に申し訳ないんですけれども、まず1点目の市町村教育委員会との連携について、これはICTの関係なんですけれども、午前中の福重議員さんとの議論の中で大分詳しく御説明をいただきましたので、これはちょっと要望だけさせていただきたいと思います。
1人1台パソコンを整備するとともに、通信環境、Wi?Fi環境ですよね。公立の高校はかなり整備されているようでございますけれども、市町村の学校もそうですし、御自宅で今後、リモート教育ということになると、その辺の整備についてもぜひ御配慮をいただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。
2点目の学校再開後の生活支援についてでございます。今まで誰も経験したことがないような長い学校の休業が続いていて、児童生徒も、心身ともに大分疲れがたまっていたりとかストレスがたまっていたりということがあるんだと思うんですね。
そこで、この休業中に教育委員会として児童生徒にどんな対応をしてきたのかということと、来週の月曜日には再開されるということなので、その時点において、再開後、どのような支援を行うのかということを簡単にお願いします。

◎笠原寛 教育長 学校再開後の生活支援でございますけれども、議員からもお話しございましたけれども、長期の臨時休業によりまして、子どもたちは様々な影響が出ていると思います。県教育委員会といたしましても、大変心配しているところでございます。
まず、休業期間中の対応に関しましては、まずは学級担任が児童生徒と連絡を取りまして、必要によって家庭訪問等を行ってまいりました。また内容によっては、養護教諭が担任と一緒に子どもたち、あるいは保護者の相談にも対応してまいりました。さらには専門家でありますスクールカウンセラーも活用いたしまして、児童生徒に対しまして、切れ目のない支援が行われるよう取り組んでまいったところでございます。
さらに、やはり新型コロナの影響によりまして、家庭の経済状況の変化ですとか、あるいは児童虐待への懸念、また育児相談の増加等を踏まえまして、スクールソーシャルワーカーが学校と連携をいたしまして、問題を抱える児童や家庭環境への働きかけ、そしてまた、関係機関との連絡調整など福祉的な支援に当たってまいりました。また、生徒に対しましては、LINEを使いましたぐんま高校生オンライン相談を昨年より約3か月前倒しをいたしまして、この5月20日から開設をいたしました。一部の地域の中学生も対象に広げまして、学校再開を前に不安や悩みを抱えている生徒のSOSを受け止める体制を整えたところでございます。
学校再開後は、児童生徒が円滑に学校生活に適応できるよう各学校で学級におけます人間関係づくりや温かい雰囲気づくりを工夫していただきまして、子どもたちをきめ細かく見守り、一人ひとりの悩みに寄り添うとともに、新型コロナに関連した差別や偏見の防止にも努めてまいりたいと考えております。
県教育委員会といたしましては、学校再開後も市町村教育委員会、また専門家等と連携を図りながら、児童生徒が安心して学校生活を送れるよう、きめ細やかな支援に努めてまいりたいと考えております。

◆松本基志 議員 ありがとうございます。今、教育長からもお話がありましたけれども、児童生徒一人ひとりに寄り添った対応をぜひお願いをして、この件は終わりにしたいと思います。ありがとうございます。
県土整備部長お願いします。

○岸善一郎 副議長 県土整備部長、答弁席へ。

(岩下勝則県土整備部長 登壇)

◆松本基志 議員 次に、防災・減災対策についてお伺いをいたします。
昨年の台風19号による公共土木施設災害について、今期定例会に公共土木施設の災害復旧費が約101億円計上されています。昨年度からもう一部着手されているところでございますけれども、災害復旧工事はこれから本格的に取り組むということだと思います。
そこで、今回の補正予算でどの程度まで復旧が進むのか、昨年の台風19号による被害状況とあわせてお伺いをいたします。
さらに、これから本格的な復旧工事が始まるということになると、もう出水期を迎えて、そういう地域に住んでいる方にとっては、例えば避難をするとかという情報がすごい大事になってくると思うんですね。そんな中で、昨年の台風19号のときには、県の河川水位情報とか雨量情報がネットでつながらなくなった。私もずっと拝見していたんですけれども。市の担当者ともお話ししましたけれども、防災の担当者もやっぱり県のホームページを見て対策を考えていたという実態もあるんです。その辺についても改善が進んでいるのではないかと思いますけれども、その辺はどうなのかということと、さらにもう1点、SNSを使った新しい取組というのが、情報の収集も発信も含めて大変重要になってくるんじゃないかと思いますけれども、その辺についてもあわせてお伺いをいたします。

◎岩下勝則 県土整備部長 では、まず初めに、災害の状況でございますけれども、御指摘がございましたように、公共土木施設に係る災害は、県と市町村が管理する施設全部を合わせますと703か所で、被害額で申し上げますと238億円に上ってしまいました。このうち県管理施設の被害はということでございますが、450か所、187億円となっております。
これまでに詳細設計を終えて現場の施工条件が整った箇所から順次工事は進めております。令和元年度末までに全被災箇所の約半数となります237か所の発注が完了したところでございます。今後は、令和3年3月までに全450か所の発注を終えるとともに、全体の約6割の箇所を年度内に完成させていきたいと考えております。
次に、ちょっと御指摘のございました水位や雨量のことでございますけれども、現在、県のホームページ、県土整備部の防災情報というのがございますが、そこで道路の通行規制や土砂災害情報とともに情報発信を行っておりまして、多くの県民の皆様に御利用はいただいておるんですが、一方で、御指摘のございましたように、昨年の台風19号の際には、アクセスが集中してしまいまして、非常につながりづらくなったというお話もございます。これを改善するために、現在、サーバーの増設を進めております。こちらにつきましても、台風シーズンとなる9月までには完成させたいと考えております。
3点目になります。SNSの件でございますが、SNSを活用した情報発信については、現在、県が運用しております防災ツイッター、これをうまく活用いたしまして、河川の水位が氾濫危険水位など基準を超えた際に、速やかに情報が発信できるよう、今現在準備を進めているところでございます。
さらに、情報提供に係る一歩進んだ取組といたしましては、現在、今の情報だけではなくて、数時間後の水位や氾濫の予測が行えるように、リアルタイム水害情報システムというのを開発中でございまして、令和3年度の完成を目指しているところでございます。このシステムが完成すれば、市町村のより迅速かつ的確な避難勧告の発令に役立っていただけるものと考えております。
今後も市町村と連携しながら、ぐんま5つのゼロ宣言のひとつでございます自然災害による死者ゼロを目指して、ハード・ソフト両面から強力に防災・減災対策を進めてまいりたいと考えております。

◆松本基志 議員 ありがとうございます。年度内に6割の復旧ということなので。実はもう台風1号も発生していて、もう出水期が間近なんですけれども、その辺の応急処置も含めて。昨日の知事の御発言の中でも、昨年の台風19号みたいな被害は今後毎年起こることも覚悟しなくちゃいかんだろうというようなお話もございましたので、その辺もあわせてぜひお願いをしたいと思います。部長、どうもありがとうございました。
続いて、危機管理監に避難所の運営についてお聞きしたかったんですけれども、時間の関係もあって、また午前中に福重議員さんからかなり詳細なお話がございましたので、これは要望だけさせていただきたいと思います。
実は台風19号のとき、私の住んでいるところが避難勧告が出たものですから。私は、今、防災士で、県のぐんま地域防災アドバイザーということでもあって、近くにある県立の高校に行って、避難所の運営にも携わりました。今考えてみると、いや本当にもう3密です。それを考えると、午前中も答弁あったんですけれども、そういう中で、ぜひ避難所はやっぱり1か所、どんどん増やしてもらったりとか、いろんな対策があると思うんですけれども、その辺についてもぜひお願いをして、これは要望だけにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次に、戦略セールス局長お願いします。

○岸善一郎 副議長 戦略セールス局長、答弁席へ。

(佐藤武夫戦略セールス局長 登壇)

○岸善一郎 副議長 残り5分でございます。

◆松本基志 議員 Gメッセ群馬についてお伺いします。
これがオープンが延期をされていましたけれども、来週の月曜日、6月1日に開所をするというような発表がございました。とりあえずほっとしたんですけれども、まだまだ油断できない状況なんだと思っています。これからのウィズコロナ時代の、Gメッセ群馬だけじゃなくて、このようなコンベンション施設のあり方というのが、これから問われるのかなと、そんなふうに考えています。
ウィズコロナ時代の今後のイベントとかの考えについて、ぜひお伺いをしたいと思います。簡潔に。

◎佐藤武夫 戦略セールス局長 御指摘のように、Gメッセ群馬につきましては、6月1日のオープンを目指して、新型コロナウイルス感染症対策を徹底するということで準備を進めているところでございます。
そういった感染防止対策を徹底するにいたしましても、今後は、ウィズコロナの時代に、どのように大規模イベントを行っていくかというようなところは非常に難しい、見直しが迫られるのかなというふうに考えているところでございます。例えば徹底して3密を避けるような非接触型のイベントですとか、デジタル技術を活用したイベント、そういったものを積極的に誘致するというようなことを進めてまいりたいと思う一方、また、県が率先して新しいイベントのあり方みたいなものも研究いたしまして、モデル的にGメッセが、そういった舞台装置となるような取組を進めていきたいというふうに思っております。
今後、新型コロナウイルスの感染の収束状況を見極めつつ、Gメッセ群馬が本県が持つ様々なコンテンツを全国に発信する舞台装置として最大限に活用されるように、本県イベント産業全体の発展に努めてまいりたいと考えております。

◆松本基志 議員 ありがとうございます。これから5Gの時代で、VRとかも使いながら新しい使い方というのを考えていただきたいと思いますし、やっぱりあり方自体も考えていく必要があると思いますので、ぜひ今後の取組を期待したいと思います。ありがとうございました。
続いて、地域創生部長お願いします。

○岸善一郎 副議長 地域創生部長、答弁席へ。

(角田淑江地域創生部長 登壇)

◆松本基志 議員 綿貫観音山古墳出土品の国宝指定と今後の活用についてお伺いをいたします。
高崎市にありますこの観音山古墳の出土品が3月19日、国宝に指定されることが決まりました。この活用についてお伺いいたします。

◎角田淑江 地域創生部長 国宝化が決定いたしました群馬県綿貫観音山古墳出土品でございます。
この周知・活用についてでございますけれども、まずは多くの方に見ていただきたいということでございまして、県立歴史博物館では、この国宝となる出土品を常設展示をしております。また、7月には、通常非公開の埴輪などを含む企画展、綿貫観音山古墳のすべても開催予定でございます。また綿貫観音山古墳ガイドブックも策定したところでございます。さらに、出土した古墳、この現地に行っていただきますと、国宝となる古墳群がずらっと建ち並ぶ当時の様子が体感できるVRアプリ、群馬古墳タイムトラベルと申します。この配信も始めたところでございます。
今後も本県が世界に誇る歴史文化遺産の魅力をしっかりと動画・放送スタジオtsulunosなども大いに活用しながら、国内はもちろん世界に向けて情報発信をしていきたいと考えております。

◆松本基志 議員 ありがとうございます。
2月には、吉永小百合さんがDCの関係もあって、群馬の古墳ということで、本当に多くの方が御覧になったということで、今ちょっと残念な状況ですけれども、この国宝指定を受けて、古墳大国ですから、群馬は。古墳とか埴輪の聖地にしてくということが私は必要じゃないかなと思っていますし、午前中、大学の話もありましたけれども、大学もやっぱり特色が必要なんだろうと思うんですよ。群馬県には、県立女子大をはじめとして、大学なり短大もたくさんありますので、そういう中で考古学とか埴輪とか古墳とかに特化した学科とかもぜひつくっていただいて、最終的には世界遺産になるような取組も期待したいと思います。部長、どうもありがとうございました。
あと30秒ですけれども、最後、県土整備部長に道路整備についてお伺いしたかったんですけれども、要望だけにさせていただきます。
西毛広幹道高崎西工区と高崎神流秩父線矢田工区、ちょっとお伺いすると進捗状況は順調に進んでいるということでございます。道路というのは、全線がつながって初めて効果が生まれるので、ぜひ取組をよろしくお願いを申し上げまして、一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)