令和6年第2回定例会産経土木常任委員会(県土整備部関係)
–以下引用–
○松本基志 委員長
ただいまから、産経土木常任委員会を開きます。本日の委員会は、お手元に配付の次第により、県土整備部関係の審査を行います。なお、議会広報のため、本日の審査風景を議会事務局職員が撮影しますので、御承知おき願います。
△委員長あいさつ
○松本基志 委員長
(あいさつ)
○松本基志 委員長
本日、傍聴人はおりません。
△委員自己紹介
○松本基志 委員長
今回は、委員選任後、はじめての委員会でありますので、各委員から自己紹介をお願いします。副委員長から、順次お願いします。
(副委員長から順次、自己紹介)
△執行部あいさつ
○松本基志 委員長
次に、県土整備部長から、あいさつをお願いします。
(部長あいさつ)
△執行部自己紹介
○松本基志 委員長
次に、執行部出席者の自己紹介を、順次お願いします。
(執行部自己紹介)
△付託議案の概要説明及び内容説明
○松本基志 委員長
それでは、本委員会に付託された議案について、説明をお願いします。なお、これ以降、委員及び執行部の発言につきましては、挙手の上、着座にて行うことで御了承願います。
◎宮前 県土整備部長
(付託議案について概要説明)
◎稲村 監理課長
◎益満 下水環境課長
(以上、承第2号「専決処分の承認について」、議案書により説明)
○松本基志 委員長
以上で、付託議案の説明は終了いたしました。
△付託議案の質疑
○松本基志 委員長
これより、付託議案の質疑を行います。質疑及び答弁は、簡潔明瞭にお願いいたします。なお、所管事項に関わる質疑は、付託議案の質疑が終了した後に行いますので、御了承願います。
(「なし」との声あり)
○松本基志 委員長
以上で、付託議案の質疑を終了いたします。
△所管事項の説明
○松本基志 委員長
続いて、所管事項の内容説明をお願いします。
◎稲村 監理課長
◎剣持 建設企画課長
◎青木 契約検査課長
◎松田 道路管理課長
◎鈴木 道路整備課長
◎小川 河川課長
◎佐々木 砂防課長
◎小島 都市計画課長
◎金井 都市整備課長
◎益満 下水環境課長
◎茂木 参事(建築課長)
◎石関 住宅政策課長
(以上、所管事項について、「議会資料№2-(1) 産経土木常任委員会」により説明)
◎剣持 建設企画課長
(補助説明資料1「令和6年度 県土整備部予算の執行方針」について説明)
◎小島 都市計画課長
(資料2「屋外広告物条例の改正について」説明
◎金井 都市整備課長
(資料3-1「「県立敷島公園」の管理における指定管理者制度活用の実施方針について」及び資料3-2「敷島公園の管理における指定管理者制度活用の実施方針」について説明)
◎丸山 都市プロジェクト推進室長
(資料4「県庁~前橋駅クリエイティブシティ構想におけるデザインコンペについて」及び資料5「敷島公園新水泳場整備運営事業の実施状況について」説明)
◎益満 下水環境課長
(資料6「令和5年度群馬県流域下水道事業の決算について(速報)」について説明)
◎茂木 参事(建築課長)
(資料7「宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)による規制区域の指定案について」説明)
○松本基志 委員長
以上で所管事項の説明は終わりました。
△所管事項の質疑
○松本基志 委員長
これより、所管事項の質疑を行います。委員の質疑及び執行部の答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いします。
◆星野寛 委員
県庁~前橋駅クリエイティブシティ構想について、コンペが延期になっており、今、様々な調整をしているということである。コンペをする前提として、基本的なコンセプトをはっきりさせた上でないと、全く方向性が出てこないのではないかと思うし、そのためには、主体となる前橋市はもちろん、地域の方々や関係者との打合せが前提あるいは同時並行で行わないと、どこへどのように焦点を絞ったコンペになるか分からない気がするが、それに関する今の課題、取組状況を伺いたい。
◎丸山 都市プロジェクト推進室長
課題であるが、このクリエイティブシティ構想の推進に当たっては、委員の御指摘のとおり、住民との合意形成が非常に重要であると考えている。前橋市中心地区クリエイティブシティ推進協議会を設立し、そこで自治会や商工関係の代表者等に御参加いただき、情報提供や意見交換を行っているところである。その中でより多くの地域住民や関係者の意見を聞き、計画へ反映するよう御意見をいただいた。このため、推進協議会に加え、地域住民の方々や様々な団体の意見を聞く機会を更に設け、意見交換や説明を進めている。
今後は住民の方へのアンケートや、一般の方々が参加する会議等も行うなどして、より多くの方々の意見を伺い、いただいた意見をコンペに反映したいと考えている。
◆星野寛 委員
資料4にもデザインコンペまでの流れが書いてあるが、そのようなことを行わなかったわけではないが、十分ではなかったということか。
◎丸山 都市プロジェクト推進室長
元々は、コンペのプロセスの中で、住民との意見交換や情報提供を並行して進めていくことを考えていたが、公告の前にも様々な意見が出て、それらをコンペの中に盛り込んでいくという意見がかなり多くあった。その辺りを調整し、要項のブラッシュアップを続けてコンペを行うように進め方を見直したいと考えている。
◆星野寛 委員
見直してもらうのは結構であるが、何事も段取り八分とよく言う。そして何をやるにしても基礎が一番大事なのであるから、やはりその基礎の方向性を固めていかないと、その上に物を作ってもすぐに崩れてしまうような気がする。しっかりと丁寧に進めていただきたいと思う。
また、最初に我々が聞いたときにまず一番驚いたのは、賞金2,500万円である。今回の資料には最優秀賞2,500万円とは書いていないが、それも見直すつもりがあるのか。
◎丸山 都市プロジェクト推進室長
賞金については、今のところ見直すことは考えていない。全国でもなかなか例を見ず、群馬県としても初めての取組であるので、専門家にも意見をいただいた中で、これだけの規模、内容ならばある程度適正であるというような評価をいただいている。当然、これから要項のブラッシュアップを進めていく中で内容を充実させていき、内容等の変更もあるので、議会等に説明させていただいた上で、公告をしたいと考えている。
◆星野寛 委員
話題性があるのは結構だが、そればかりが先行し、根底の基礎がしっかりしていなかったことは、これからよく反省してもらいたいと思う。デザイン費用も無料というわけにはいかないのは当然であるが、例えば道路補修等、地域からいろいろな要望が出る中で、2,500万円もあるのであれば少しはそちらへ回してほしいという声があることを、ぜひ根底に置いていただきたい。優先順位として、特に財政状況が厳しいと言われており、なかなか思うような修繕等もできていない状況の中で、コンペに2,500万円という非常に多額の賞金を出すことが本当に妥当かどうか疑問であるので、ぜひしっかりと、今後の協議の中で見直していただきたいと思う。
また、もちろん県都であるから県がしっかり関わっていくのは十分分かるが、主体となるのは前橋市であり、前橋市が中心となって行うということでよいのか。
◎丸山 都市プロジェクト推進室長
前橋市との関係についてであるが、もちろん前橋市との連携は非常に重要だと考えている。市としても、この構想を進めることで、市内で活性化している様々な民間・官民連携によるまちづくりを後押しし、中心市街地のにぎわいを取り戻すことができると考えており、非常に協力していただいている。また、市は構想実現に向けた合意形成あるいは住民窓口として、推進協議会の設立も主体的に行うなど、各取組に関わっている。まちづくりの主体である前橋市を中心とし、構想路線の一部を管理するところもあるので、市及び国と連携して進めていきたいと考えている。
◆星野寛 委員
前橋市としっかり連携していただきたいと思うし、市の立場も十分に尊重しながら取り組んでいただきたいと思う。
新聞に馬場川の改修に関する記事が出ていたが、これは市の予算をほとんど使わず、寄附金等で賄ったということである。ただ単に賞金だけ多くするのも1つの手ではあるが、そのような様々な新しい発想も取り入れていただきたい。そうすることで、市民が親近感を覚える町、また前橋駅から県庁までの通りになると思うし、それが全体のまちづくりにも良い影響を及ぼすのではないかと思う。デザインコンペも新たな発想かもしれないが、できるだけお金を使わず、効果的な、そしてより多くの方を巻き込めるような構想、システムを考えていただきたいと思う。
また、これは他のことにも言えると思うが、実際に議会へ細かな説明をしていただいたのは後のようであるし、県の執行部から議会への説明が後追いになっている現状が非常に多いのではないか。また、関係者との利害調整も同様である。それと、これは勝手な想像であるが、県庁内の風通しもあまり良くないのではないか。そのような気もするので、ぜひその辺をしっかり、先ほども言ったように、まず基礎を固めて、そして事業に取り組んでいく。クリエイティブシティ構想に限らず、そのようなことが必要だと思うが、部長から考えを伺いたい。
◎宮前 県土整備部長
いろいろと御助言をいただき有り難い。また先般の第1回定例会の本会議場においても、大和議員から、県土整備部に対してだと思うが、丁寧な説明と情報発信を切にお願いするということも我々はしっかり受け止めている。このクリエイティブシティ構想の事業だけではなく、全般にわたり、しっかりと丁寧に説明させていただきたいと思っているので、ぜひよろしくお願いしたい。
◆後藤克己 委員
星野委員から非常に重い御指摘があり、私も全くそのとおりだと伺っていた。私も県庁で仕事をしてきた人間として、このような前例のないことをいきなり打ち出すのは、良い部分もあると思うが、県土整備部としてこの通りを再開発するというのは、今後100年を見通した大プロジェクトだと思っている。先ほど星野委員が基礎をしっかりとおっしゃったように、まずは部内、県庁内、地元を含めて、構想・思想をしっかり固めてから、デザインはあくまで外装部分であるので、軸を本当にしっかり議論してきたのかということが非常に不安である。既に走り始めてしまったので今更という部分もあるが、ぜひ、県土整備部の中で、今一度、本気でこの基礎固めを進めていただきたくお願いしたい。
次に、資料6の流域下水道事業の決算について、電力価格高騰によりかなり経常利益が圧縮されてしまったことと、令和6年度は市町村の負担金を増やすことで黒字化する見込みだという説明があった。群馬県では検討が進んでいないが、例えば栃木県などでは、以前から消化ガスを使った発電事業を行っている。おそらく群馬県でも下水汚泥の処理に莫大な費用がかかっていると思うが、売電収入により処理費用を全て賄えるくらいプラスの効果を上げているということである。
もちろん処理方法等に違いがあるかと思うので検討は簡単ではないと思うが、市町村の負担を増やすということだけではなく、栃木の事例のような方法や、再エネの活用など様々な方法があるかもしれない。今後、そのような新しい時代の考え方の検討をした方がよいのではないかと思うが、現状どのような問題意識を持っているのか伺いたい。
◎益満 下水環境課長
処理施設は電気を多く使用するため、再エネ・省エネについて検討しており、節電についても十分認識した上で取り組んでいる。
まず、令和5年度決算の御質問であるが、令和3年から5年の3年間については、流入水量に合わせて単価制を導入するとともに、令和2年の時点で、今後の物価上昇を考慮した経営計画を策定して単価を設定した。しかし、当初の想定よりも物価上昇が激しいにもかかわらず、物価変動に合わせた値上げができないため、最終年の令和5年度は黒字経営ができない状況であった。令和6年度からの3年間は、そのようなことも踏まえた中で、市町村合意のもと、単価を改定している。
再エネ・省エネである消化ガス等については、地元の様々な意向もある。全国では、汚泥や処理水の有効活用法や太陽光発電等の様々な取組が始まっているので、今年度に調査や費用対効果を検討し、地元との調整及び建設費用を負担する市町村の了解も得ながら、具現化に向けて進めていく予定である。以前から検討してきているが、今年度はまずその検討結果を地元に示せるようにしていこうと考えている。
◆後藤克己 委員
かなり以前から委員会等でこのような提案をしていたが、検討が続いているという状況であった。この1年の中で、ぜひまた1つ道筋をつけていただきたく、期待を申し上げたい。
次に、資料9の県土整備プランについて、現行計画も非常に良いものであったが、それと比べ、次期計画は持続可能な県土整備のあり方に一層のベクトルを強めているという印象を受けており、非常に時代にマッチしたプランになってきているのではないかと期待している。
現行計画では、プランの中に対応しているSDGsのゴールをかなり網羅的に盛り込んでいたが、SDGsのゴールというのは、行政の事業では何かしら関連しているくらい広い概念である。各政策に関連するゴールがいくつも記載されていたことで視点が非常に散漫になってしまい、今ひとつ伝わらないというもったいなさを感じた。次期計画については、SDGsとの関連の示し方をどのように考えているのか伺いたい。
◎剣持 建設企画課長
現行計画の策定当時はいわゆる群馬県SDGsの考え方が一般的に公表され、県全体としてもぐんまSDGsイニシアティブということで発信を行ったり、内閣府が定めるSDGs未来都市への選定に向けて動いていた時期でもあった。また、同時期に策定していた県の総合計画にもSDGsの取組が入っていたこともあり、我々もその下位計画として、また県の全体の方向性として、県土整備行政でもSDGsの取組と関連しているところは記載していこうということで、当時のいわゆる全体的な流れの中で記載していたところがある。
今回はこれから策定していく段階であるので、委員からの御指摘も踏まえながら、今後はどのような形で示していくか、記載の有無も含めて検討したい。
◆後藤克己 委員
今のこの県庁全体の流れが、知事を先頭にそのような打ち出しを政策的に行っているので、打ち出すこと自体はよいと思う。ただ、やはりゴールは3つ程度に絞ったほうがよいかと思う。例えば政策1、政策2、政策3は「住み続けられるまちづくりを」のゴールであるとか、政策4は群馬県も非常に打ち出しているのでゴール13、15辺り、建設労働者の部分でゴール8、このくらいに絞り、大きな政策の中でこのゴールを目指すという方が伝わりやすいかと思う。1つの政策の中にゴールをいくつも絡めてしまうと、もったいないという印象があった。いずれにしても、方向性は以前のプランから相当変わってきているくらい、かなり持続可能性に意識した、ある意味で従来の県土整備部らしく、良い意味でらしくないプランが出来てきていると思っている。期待をしているので、また注目していきたい。
◆金沢充隆 委員
県営住宅の共益費については、現在、管理人が徴収をしたり、事業者等への支払業務を行っていると思うが、負担が重くなってきたり、高齢化や単身世帯の増加等のため、県が徴収できるよう条例改正をしたと思う。今後県が徴収するに当たり手続きを進めていくかと思うが、現状の取組と、今後のスケジュールについて伺いたい。
◎石関 住宅政策課長
共益費の集金については、昨年度、条例改正を行い、県が徴収できるようにした。実際の徴収は令和7年4月から開始したいと考えており、現在、住民の方々にチラシ等を配布して事業の周知を図っているところである。今後は7月末までに申込みをいただき、申込み内容を確認して、12月末の家賃決定の際に共益費の金額を決定し、住民の方に通知を行い、来年度の4月から実際に徴収を始めたいと考えている。
◆金沢充隆 委員
7月末までに申込みとのことであるが、7月末を過ぎても申込みを受け付けるのか、あるいは7月末という申込みのスケジュールがずれ込むと徴収開始時期が遅れたりするのか、その辺りのスケジュールはどのようになっているのか。
◎石関 住宅政策課長
現在のところ7月末を目標として定めているが、その辺りは今後の住民の方々の御意見等を踏まえて、来年4月に業務が開始できるよう、流動的に取り扱っていければと考えている。
◆金沢充隆 委員
ぜひ丁寧に進めていただきたいと思う。私も実際に地元の公営住宅で管理人をしている方から相談を受け、いろいろと話も伺った。やはり管理人の業務負担は重いので、県に徴収してもらえるのであればぜひ手続きを進めたいという意向で、今住民の皆さんと話をしているということであった。
先日、住宅供給公社から手続きの書類が送付され、それに基づいて進めようとしているが、団地住民の4分の3以上の同意が必要ということで、その管理人の方は同意をどのような形で書類にして提出したらよいか戸惑い、公社に問い合わせたところ、特に様式はないのでお任せしますということであった。その方はパソコンを使えるわけでもなく、他の管理人の方とも同意書はどのように出すのかなど、管理人同士で様々な話が出ているということである。
お任せしますと言うのは簡単だが、難しい書式でもないと思うので、例えばひな形を示すといった対応を取ったほうが丁寧なのではないか。改善が可能であればお願いしたいと思うが、いかがか。
◎石関 住宅政策課長
委員の御指摘のとおり、住民の方や管理人の方からそのような電話での問合せ等を多数いただいており、公社が既に対応を始めている。今後は、申込書の記載例や同意書のフォーマット、マニュアル等を作成して住民の方に示していきたいと考えている。早急に対応したい。
◆金沢充隆 委員
早急に対応いただけるということで、ぜひよろしくお願いしたい。私も書類を拝見したが、共益費の算定といった分かりづらい部分もあるかと思うので、問合せには丁寧に対応いただきたいと思うが、各団地一人ひとりに対応というのもマンパワーの面で難しいところが当然あるかと思う。例えば管理人が集まっている日に、公社の職員等に直接お越しいただき、丁寧に説明してほしいという要望もあろうかと思うし、私が対応した方なども、そうした対応をしていただけるなら、管理人に声をかけて集めるという話もしていたので、そのような特別の要望があった場合には、ぜひ前向きに丁寧な対応をお願いしたいと思うが、その点についてはいかがか。
◎石関 住宅政策課長
これまでのところ、電話での対応で御理解をいただき解決しているが、委員がおっしゃるとおり、管理人の方々の御希望を聞き、管理人たちが集まるような機会があれば、開催方法などを相談しながら、住宅供給公社と協力して説明会の開催を検討していきたいと考えている。
◆金沢充隆 委員
やはり県の徴収を希望する管理人が多いと思うので、ぜひそのような要望があった場合には、今言ったような形で丁寧に対応をお願いしたい。
次に、橋梁の長寿命化について、県でも長寿命化計画に基づき維持管理を行っていると思う。これから橋梁の老朽化も進んでいく中で、この維持管理コストを最小限に抑えていくために予防保全のようなことも必要かと思うが、現在の長寿命化の取組を伺いたい。
◎鈴木 道路整備課長
県が管理する橋梁は3,665橋ある。委員の御指摘のとおり、維持管理費あるいは更新費の縮減、予算の平準化を目的とした橋梁長寿命化計画を策定し、定期的な点検や診断、計画的な修繕により橋梁の長寿命化を図る取組を進めている。
現在の状況であるが、5年に1度の法令点検が平成26年度に義務化され、令和5年度までに行った点検の結果、延べ527橋が、橋の健全性が著しく低下しないよう修繕等の措置が必要だと診断されており、昨年度までに395橋の修繕が完了している。また、残りのうち55橋の修繕にも着手している。
今年度は修繕に着手済みの55橋に加え、昨年度の点検で新たに措置が必要と判断された橋梁が77橋あるため、その修繕を継続するとともに、その他25橋において、修繕が必要になる前の予防的な対策にも着手しており、経済性という点から予防保全にも努めたいと考えている。
◆金沢充隆 委員
修繕が必要な箇所が多くあるということで、ぜひ修繕をしっかり進めていただきたいと思う。予防保全の話もあったが、県でも例えばドローンを使ったり、デジタル技術を活用したインフラ管理を行ったりしていると思うし、昨年9月にも、デジタル新技術を活用した橋梁床板の劣化調査として、280橋9,700万円というかなりの額の補正予算が計上されている。年度も変わったので、デジタル新技術を活用した橋梁床板の劣化調査を含め、そうした新たな技術を使った予防保全の取組について伺いたい。
◎鈴木 道路整備課長
デジタル新技術を活用した橋梁床板の劣化調査については現地調査をほぼ終えており、現在は電磁波で撮ったデータの分析作業などを行っている。これについては引き続き、分析作業を継続していきたい。
また、ドローンやAIの画像処理技術を用いたコンクリートのひび割れ診断などにも積極的に取り組んでいる。令和3年度から現在まで、約57橋でデジタル技術による点検を実施しており、点検の効率化という観点からも積極的に取り組んでいきたいと考えている。
◆金沢充隆 委員
橋梁床板の劣化調査については、これから取りまとめをするのだと思う。かなりの金額の補正で行った事業であるので、まとまったら、その効果を我々にお示しいただければありがたいと思うし、これが効果的だということであれば、今後の予防保全の取組の中で、ぜひ引き続き取り組んでいただきたいと思う。
橋梁の関係で、県道前橋長瀞線の柳瀬橋工区というのがあり、柳瀬橋は建設から90年以上経過している大変古い橋梁である。もちろん定期的にメンテナンスをしていただいていると思うが、かなり年数も経っているということで、架け替え等も必要かと思っている。県土整備プランにおいても着手に向けて検討するということで進めていただいていると思うが、安全面の観点もそうであるし、慢性的な渋滞も発生しており、また第一次緊急輸送道路という位置付けでもあるので、ぜひ柳瀬橋工区についても事業化の方向性を出していただき、安全面の管理からも取組をお願いしたいと思うが、現状を伺いたい。
◎鈴木 道路整備課長
柳瀬橋は架橋後94年が経過している古い橋である。安全面も心配という話をいただいたが、少なくとも5年に1回の定期点検を実施し、必要と判断された場合には修繕を行い安全を確保しているため、橋が壊れてしまうことはないので御安心いただければと思う。
ただ、94年が経過し老朽化が進んでいることは事実である。これまで、例えば架け替えが必要になった場合に備え、河川状況等について国交省と協議を行ってきた。また4車線化なども進んでいる路線であるので、現状の交通状況を把握するために柳瀬橋を含んだ前後区間において交通量調査や交差点での交通解析等を実施している。また令和4年度から、藤岡市と現状及び交通課題の解決に向けた意見交換等も行っている。
事業化の御要望の話もあったが、関係機関と議論を進めるとともに、老朽化への対応や、また交通上の様々な観点から事業効果の精査をするなど、県土整備プラン改定の中で検討していきたい。
◆金沢充隆 委員
安全面及び地域交流の促進という観点からも、非常に事業効果の高い路線かと思うので、前向きに検討を進め、できれば着手を早めにしていただけるような形で議論を進めていただければと思う。ぜひよろしくお願いしたい。
◆丹羽あゆみ 委員
資料7の盛土規制法による規定区域の指定案について、規制をかけない区域に不法投棄等の違法な盛土が集中する恐れがあるため、県内全域をどちらかの区域に指定する考えということは伺ったが、今、地元でもなかなか片付かない不法投棄の問題がある。県内全域が指定されるということは、逆に規制といたちごっことなるイメージもあるが、実際にパトロールを行う警察との連携やデジタルの活用に関して方向性を伺いたい。
◎茂木 参事(建築課長)
盛土規制法は、県庁でいうと複数の部局に関連する法律であり、それぞれ密に連携して業務を実施していく必要がある。そのため、法律が制定された令和4年度から、関係課を含めた庁内ワーキンググループを設け、業務の実施体制を検討している。不法盛土等の監視体制及びパトロールについても県土整備部のみでなく、地域創生部、環境森林部、農政部、県警がワーキンググループに入っているので、役割分担や監視手法の検討を進めている。
検討に関しては、国が策定したガイドラインを参考にしている部分もある。ガイドラインには、既存の各法令による監視体制を利用した連携や、地域で活動する団体との情報提供に関する協定締結、SNSを利用した通報システムの運用等が例示されている。その他、国では、衛星画像を活用した盛土の可能性がある場所を抽出する監視システムを開発中であると聞いており、これを含め、来週、国から説明会が開催される。
そのような国の状況や、他県で進捗している所もあるので、そのような動向も踏まえながら、来年5月の規制区域の指定に向け、DXを含めた体制を構築していきたいと考えている。
◆丹羽あゆみ 委員
では、またその時に何かお伝えいただけることがあればお願いしたいと思う。
続いて、県土整備プランの見直しに関し、資料19頁の策定スケジュール中、令和5年10月、11月の県民意見反映という部分で、市町村長や県議にもいろいろと聞き取りをしていただいていると思う。県民の意見をしっかり把握し反映していくことがもちろん重要であることは承知だと思うが、現在までの取組と、今後の進め方について伺いたい。
◎剣持 建設企画課長
行政計画をつくるに当たっては、計画決定までのプロセスを明確にした上で、策定プロセスにおいて県民の方々の参画の機会を積極的に設け、計画の客観性や透明性を高めていくのが一般的には重要だと考えている。アンケートや地域リーダーインタビュー、ワークショップ、公聴会等、県民の皆様から意見を聴取する手法は様々あるが、計画の特性や対象とする規模、コスト、規制、時間的制約等を踏まえながら、最適な手法を選択し、より地域ニーズに即した形で実効性の高い計画となるよう策定していくことが重要であると考えている。
現在までの県土整備プランの取組であるが、県土整備分野の最上位計画であり、また計画の範囲が全県に及ぶことから、県内を12地域に分割し、それぞれ管内の地域リーダーとなる市町村長、県議の皆様への地元意見ヒアリングという形で、現在まで2回ほど実施した。また、より広範に多様な県民ニーズを取るために、誰でも政策づくりに参画できるPoliPoli Govによるオンラインアンケートも活用し、広範なまちづくりに関する意見なども聴取して計画に反映している。
今後も県民参画の進め方については丁寧に議論を展開していきたいと考えているので、前回の策定時よりも地元意見ヒアリングの回数を増やし、また、検討案、素案及び原案をそれぞれ作成した段階で、適時地元意見ヒアリングを行いたいと考えている。検討案を策定した段階で、県土整備プランフォローアップ委員会という形で、学識経験者や商工、農業、産業、報道、観光といった様々な分野の外部有識者による専門的な見地からの御意見もいただきたいと考えている。さらに、原案を策定した段階でパブリックコメントを行い、より広く県民の方からの意見を頂戴しながら、また適時この常任委員会を通じ、県議会とも丁寧に議論を重ねながら新たな県土整備プラン案を最終的に審議・議決いただいた上で、公表していきたいと考えている。
◆丹羽あゆみ 委員
もう1点、県土整備プランについて、資料中、20年後に目指す将来像に「誰もが安全・快適に移動でき、人と人、人と地域のつながりを生み出す群馬県」というものがある。「計画の推進に当たって」の方策4に「多様な主体・事業・地域の連携」という項目もあり、地元意見ヒアリングの際にみどり市からも出たと思うが、国スポ・全スポに関連した整備というのは、何か反映されている部分はあるのか。
◎剣持 建設企画課長
敷島公園新水泳場が国スポの会場として選定されていると聞いているので、それは国スポに関連した取組として該当するかと考えている。今後、そのような取組があれば、検討する必要があると思う。
◆丹羽あゆみ 委員
施設自体はそのような考えで進んでいると思うが、その施設に行くまでに、例えば全スポで、障害者の方が観光バスで来たときに、その施設までなかなか入れないというような視点での考えはいかがか。
◎剣持 建設企画課長
今後、国スポの方で具体的な計画が決まり、並行して会場選定等も進んでいくと思うが、その中でもし課題等がブラッシュアップされ、県土整備部分野として支援や対応できる部分があれば、また検討したいと考えている。
◆丹羽あゆみ 委員
今後持続可能なまちづくりを推進する上で欠かせない分野であるので、引き続きお願いしたい。
◆清水大樹 委員
群馬県自転車活用推進計画について、概要等を伺いたい。
◎青木 交通安全対策室長
まず、自転車活用推進計画の策定経緯を説明したい。平成29年5月に施行された自転車活用推進法に基づき、自転車事故の削減を目指すこと、さらに自転車を安全に利用できる環境をつくり出し、移動手段としての自転車活用を推進していくことを目的に、令和元年度から令和10年度までの10年間計画として、平成31年3月に群馬県自転車活用推進計画を策定した。
具体的な目標は大きく2つある。1つは自転車の安全確保、もう1つが自転車の利用拡大である。
まず自転車の安全確保については、安全で快適な自転車が通行できる環境を確保するために矢羽根型路面表示等の整備を進めるハード対策と、自転車利用者だけでなく、自動車ドライバー等もターゲットにして安全啓発等を行うソフト対策の両輪を計画の中に定めている。
また、自転車の利用拡大については、公共交通との連携強化を図るために、駐輪場の整備を充実させることと併せ、観光振興、地域活性化を図るために、県境を越えた広域的なサイクリングロードの活用推進などに取り組むことを内容に盛り込んでいる。
◆清水大樹 委員
群馬県は非常に広いので、安全確保の対策を行うに当たり、優先順位は非常に重要かと考えている。本会議等でしばしば取り上げられているように、中高生の通学時の自動車との接触事故等には群馬県の誰もが危機感を持っていると思う。したがって、ぜひ中高生の通学圏内の優先順位を高くして、安全確保を推進していただければと思うが、その点の考えはいかがか。
◎青木 交通安全対策室長
自転車の通行環境を安全に確保するための整備手法として、自転車が車道の左側を走行するルールを定着させるために自転車通行帯または矢羽根型路面表示を整備するもの、車道と歩道との分離、自転車が専用に走るための自転車道という3つの手法がある。これら3つの整備手法を、地域の状況やニーズに応じて選択し、効果的な整備手法をもって自転車が安全に通行できる環境整備に取り組んでいる状況である。
優先整備区間について、自転車活用推進計画では、国、県及び市町村が管理する道路のうち、自転車通学に利用されている路線及び自転車事故が多い路線を自転車ネットワーク路線として抽出した。当該路線の県内の延長は、国・県・市町村が管理する道路の合計で約1,450km、そのうち県管理道路は約840kmであり、自転車の通行環境の整備を効率的に進めるとしている。
当該路線のうち、県管理道路においては、委員の御指摘のとおり、中高生通学時1万人当たりの自転車事故率が他県に比べて非常に高いという状況がある。その状況を踏まえ、令和11年度までに、鉄道駅から高校まで、もしくは高校周辺の半径1kmで高校生の利用頻度が高い通学路を重点的に整備することとしており、中高生の通学経路170kmの整備完了を目標に掲げている。令和5年度末時点では、目標の170kmのうち約158kmの整備が完了しており、整備率は93%である。
◆清水大樹 委員
地元の高崎地域や他市を回っていても、歩行者と車との距離がすれすれ、自転車ではなおさらという所がある。事故が多い箇所の優先順位が高くなるのは分からなくもないが、現実として、整備しづらいとは思うが、車との距離が短い場所にも着目して、中高生の安全確保のために推進していただきたい。
◆鈴木数成 副委員長
汚水処理人口普及率の目標達成に向けた市町村支援について質問したい。市町村下水道費補助のうち、単独管渠整備促進費補助を今年度から廃止したと思うが、それはなぜなのか。
◎益満 下水環境課長
市町村による下水道事業の起債は、100%充当できるなど財政支援が拡充されているほか、全市町村が公営企業会計へ移行するなど経営的視点を重視した下水道事業を取り巻く環境の変化を見据え、補助制度を見直したものである。
◆鈴木数成 副委員長
群馬県として汚水処理人口普及率92%を目標値に掲げていたと思うが、現在はまだ84%であり、全国平均にも届いていない結果だったと思う。したがって市町村の下水道整備費用を県が支援する必要はまだあるのではないかと考えているが、今後どのように支援し、目標値の92%に到達させるのか伺いたい。
◎益満 下水環境課長
県は、県民の住環境を守り、公共水域の環境を保全する施策の指標として、汚水処理人口普及率を目標としている。県土整備プランにおいて、下水道等と合併浄化槽のベストミックスによる効率的・効果的な整備を推進することとしている。汚水処理人口普及率の向上には、下水道整備はもちろん、単独浄化槽から合併浄化槽への転換を促進するなど、様々な政策を進めていく必要があり、汚水処理事業全般にわたり支援を検討している。今後も、市町村が抱える課題や要望を酌み取りながら、より効率的・効果的な支援のあり方について調整していきたいと考えている。
◆鈴木数成 副委員長
先ほどベストミックスという言葉があったが、様々な手法があり、その最大公約数を取って実施していくと個人的には受け取った。しかし35市町村あると、各市町村にとって何が最適かはそれぞれ異なると思う。最大公約数を取りながら、それぞれの市町村の協力を得て目標値を達成できるよう市町村の要望をよく聞いていただき、市町村下水道費補助事業を改善する必要があるならば、それをぜひ検討して目標値を早期達成していただくようお願いしたい。
次に、県が管理している道路における路面表示について伺いたい。県道で路面表示がされている箇所がいくつかある。県が管理している道路で、具体的にどのような路面表示を行うことができるのか伺いたい。
◎青木 交通安全対策室長
道路表示には様々あるが、まず、県が管理しているものは道路法や道路交通法による交通規制を要しないもの、例えば道路の外側に引いている外側線等の白線である。一方、県が管理していないものは、道路交通法等で交通規制を行う黄色の中央線、横断歩道、一時停止線といったもので、県警が管理している。
◆鈴木数成 副委員長
県警は県警の部分、県は県の部分をそれぞれ整備することが分かった。規制線や外側線が薄れており補修をお願いしたくても、警察に頼めば警察の部分しかしてくれず、県に頼めば県の部分しかしてくれないということがあり、県民・市民にしてみると、半分くらいしか終わっていないと感じることが多々ある。県道に関しては、同じ県組織であるので、ぜひ協力して行ってほしいと思うが、どのように考えるか。
◎青木 交通安全対策室長
御指摘のあった連携の観点でお答えするが、まずその前に、通常の区画線等の管理の仕方について説明させていただきたい。
管理及び補修については、道路パトロールや地元からの情報提供などを基に、まずは現地を確認し、補修が必要と判断された箇所については随時実施している。県が管理している区画線以外の、例えば県警察が管理しているものなどの情報が寄せられた場合には、その都度、県警察、もしくは市町村道であれば市町村とお互いに情報共有している。
そのような中、新たな補修方法として、県が行う補修箇所と県警察が行う補修箇所が近接している場合などは、予算も含めて事前調整を行った上で、県が一括して工事を発注し一体的に補修する方法を令和2年度から行っている。今後も、このような新たな手法を引き続き取り入れながら、適切かつ効率的、また県民目線に立った補修を行っていきたいと考えている。
◆鈴木数成 副委員長
ぜひそのような手法で、同じ道路を1回で修繕できるような対策を考えながら、今後も進めていただきたい。市町村ともやりとりをするということであったが、やはり県道と市町村道が交差している箇所が多くあり、さらに規制箇所もあるので、県民・市町村民の安全対策のために、市町村との強い連携の確立もしっかりとお願いしたく要望する。
○松本基志 委員長
以上で質疑を終結いたします。
△付託議案の討論・採決
○松本基志 委員長
これより付託議案の採決に入ります。議案の採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。
(「なし」との声あり)
○松本基志 委員長
討論がありませんので、本委員会に付託された議案のうち、県土整備部関係の議案について採決いたします。
それでは、承第2号の議案について、これを原案のとおり承認することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○松本基志 委員長
挙手全員であります。よって、承第2号は、原案のとおり承認することに決定いたしました。
△基本計画の議決等に関する条例に基づく計画の説明
○松本基志 委員長
次に、基本計画の議決等に関する条例に基づく計画等について、執行部より説明をお願いします。
◎稲村 監理課長
(資料8-1「計画等一覧表」、資料8-2「個別計画等体系」及び資料9「「ぐんま・県土整備プラン2025(仮称)」の骨子」について説明)
○松本基志 委員長
以上で説明は終わりました。
なお、資料配付のあった基本計画の議決等に関する条例に基づく計画等一覧表のうち、最上位計画については、変更内容に応じて、来年の第1回定例会での議決対象となり、それ以外の計画等については、今後、概要書の提出を受けて条例の適用に係る調査を行い、議決対象として決定した計画については、質疑を経て令和7年第1回定例会での議決を目指すこととなりますので、御承知おき願います。
△閉会中継続審査(調査)特定事件の決定
○松本基志 委員長
次に、委員会が閉会中審査または調査する案件については、お手元に配付した案としてよろしいでしょうか。
(「異議なし」との声あり)
○松本基志 委員長
それでは、さよう決定いたします。
△その他
○松本基志 委員長
委員長報告については、正副委員長に御一任願います。
次に、委員会調査の実施であります。5月24日に開催された正副委員長会議において、本委員会の県外調査は、7月23日から25日の2泊3日の範囲で実施することになりました。また、閉会中の月いち委員会の開催についてですが、8月は産経土木常任委員会に議会バスの優先使用権がありますので、第4木曜日である8月22日に実施したいと考えております。なお、県外調査及び月いち委員会の最終的な実施内容については、正副委員長に御一任いただくことでよろしいでしょうか。
(「異議なし」との声あり)
○松本基志 委員長
さよう御承知願います。最終的な決定内容については、別途、通知いたします。
なお、月いち委員会に関係執行部職員の出席を要求することにつきましても、併せて正副委員長に御一任願います。
△散会
○松本基志 委員長
以上をもちまして、本委員会で審議すべき案件は全て終了いたしました。
これにて散会いたします。
(午後0時09分終了)
委員会記録署名委員
産経土木常任委員会
委員長 松本 基志