令和6年第2回定例会災害対応力強化に関する特別委員会

–以下引用–

◆松本基志 委員
能登半島地震では、発生後すぐに県や各団体の方々が被災地支援に入られたことに心から敬意を表する。私自身も一般ボランティアとして3回被災地に入り、その経験を踏まえて質問したい。
まず、能登半島地震では、群馬県からもトイレトレーラーをすぐに派遣したが、災害派遣トイレの群馬県の状況について伺いたい。

◎飯塚 危機管理課長
令和4年度に群馬県と大泉町でトイレトレーラーを導入している。今年度は高崎市がトイレトレーラー2台、みどり市がトイレトラック1台を導入予定である。

◆松本基志 委員
トイレトレーラーを増やしていくことが大事である。仮設トイレの準備状況はどうか。

◎飯塚 危機管理課長
仮設トイレを保有している民間企業と協定を締結し、災害時には可能な限り避難所に配置してもらうことになっている。

◆松本基志 委員
能登では、仮設トイレがあってもほとんど水が使えず、バケツで汲んだ水をトイレで使用する避難所もあった。能登に派遣したトイレトレーラーについて、給水車も派遣することになった経緯について伺いたい。

◎飯塚 危機管理課長
群馬県が保有するトイレトレーラーは、ある程度の大きさの給水タンクが設置されているが、災害派遣トイレネットワークから、現地のトイレに使用できる水がないと話があった。県内市町村の給水車は、飲料水としての支援を予定していたため、県内で給水車を保有している民間事業者と調整し、委託したものである。

◆松本基志 委員
能登の避難所には毎日のように給水車が入っていたが、飲料水としての支援であってトイレや風呂には使えていなかった。給水車の手配について、事前に協定を結ぶ等の対応が必要と考えるがどうか。

◎飯塚 危機管理課長
トイレも含めた生活用水をどのように確保するか検討する必要があると考えている。5月の関東知事会でもこの問題について本県から提案し、国へ要望している。

◆松本基志 委員
入浴や洗濯サービスについても支援を検討してはどうか。

◎飯塚 危機管理課長
現状、自衛隊が入浴支援を行っているが、移動式のコインランドリーなどの新たなサービスもあるので、災害時の活用について、今後、調査研究を進めていきたい。

◆松本基志 委員
能登では自衛隊のほかに民間のNPOが入浴支援を行い、自衛隊が撤退した後にもNPOが支援を続けている。民間等で様々な支援の取組が行われている。支援できる団体があるにもかかわらず、行政の受入れが難しいということにならないよう自治体の受入体制を整えてほしい。
次に、2次避難について、県の準備体制はどうか。

◎飯塚 危機管理課長
本県では避難ビジョンの中で、避難所への避難が集中しないように、在宅避難やホテル避難等、分散避難を推奨している。また、要配慮者のホテル避難を想定し、県内の旅館ホテル生活衛生協同組合と協定を締結している。要配慮者が、速やかにホテル避難できるよう、受入調整に関するマニュアルの整備や訓練等を実施した。現在、受入調整の簡略化・効率化や、協同組合に加盟していないビジネスホテルとも協定を結ぶなどして、2次避難先としての受入先拡大等に取り組んでいる。

◆松本基志 委員
輪島市で聞いたところによると、2次避難所に20戸くらいの集落単位で申し込んだが、提示された避難所は結局バラバラだった、という例もあった。災害が起きる前からの事前準備が本当に大事だと感じた。能登半島地震での知見を踏まえ、2次避難の体制整備を進めてほしい。
次に、福祉避難所について伺う。能登では、福祉避難所に指定されている施設も被災し、入居者も職員も被災している中で、新たな要配慮者の受入れが難しかったとのことである。福祉避難所の現状と、要配慮者の受入人数はどの程度可能なのか等、県としても現状把握の必要があり、市町村との連携を考えていただきたいがどうか。

◎飯塚 危機管理課長
支援を行う団体との関係づくりが重要であるため、市町村と検討していきたい。

◆松本基志 委員
福祉施設の職員も行政の職員も、群馬で災害があれば皆が被災者になる。その中でもやるべき仕事があり、被災したときに何ができるかを検討してほしい。