令和6年第3回定例会災害対応力強化に関する特別委員会-10月07日-01号

◆松本基志 委員
総合防災訓練について、昨年度までは劇場(展示)型でいろいろなことをする総花的な訓練であったが、今年度は能登半島地震の教訓を受けて実践的・実効的な訓練をする、特に今回は物的支援の受入れ・供給訓練を行うとのことである。今後の訓練について、今回のような絞った形での実践的な訓練を来年度以降も継続するのか。

◎飯塚 危機管理課長
市との共催になるため、まずは市の意向を確認した上で訓練方針を検討する。県としては実効性の高い訓練を実施したいと考えており、各市が課題と考えている災害対応に係る訓練を今後も実施していきたい。

◆松本基志 委員
実効的な訓練は本当に大事だと思うので今後も続けてほしい。物的のほかに、人的支援の受入体制も非常に大事だと思う。被災した場合に、全国自治体からの応援やボランティアの受入れなどがあるが、実際にしてみないと難しい。私がボランティアで入った経験から、特にボランティアセンターなどは場所によって大分違い、経験のある自治体や社協などでないとスムーズに回らないことが多い。こうした訓練も含め、市町村と相談して実施してほしい。
また、計画の内容を検証するとのことなので、今回の訓練の結果を検証し、実際にやってみて良かった点、良くなかった点などを、委員会で報告してもらえるとありがたい。
次に、災害廃棄物仮置場・運営訓練を環境森林部が別日程で行うとあるが、具体的な内容を伺いたい。

◎高井 廃棄物・リサイクル課次長
今年度は前橋市と連携し、仮置場の設置運営に関する訓練を実施予定である。環境省から講師を招き、前橋市以外の市町村も参加するグループワークと、前橋市のみを対象とした実地訓練の二部構成を計画している。

◆松本基志 委員
私がボランティアで入った山形県酒田市の現場では、床上浸水した住居でいろいろな物を災害廃棄物として仮置場に運び出したのだが、仮置場はいくつか事前に選定しておかないと有事の際に大変だと改めて思った。どこで発災するかは分からないのだが、県や市町村で、災害廃棄物の仮置場の検討等は行っているか。

◎高井 廃棄物・リサイクル課次長
各市町村で複数の仮置場候補地を選定している。発災の場所や状況により、市町村が候補地の中から実際の仮置場を決定していく。

◆松本基志 委員
場所も大事だし、そこに人も置かなければならない。答弁でも、実施していただけるとのことなので、今後とも是非頑張ってもらいたい。
次に、トイレコンテナについて伺いたい。予算は大分かかるが、良い取組だと思う。能登半島地震で私がボランティアに入った際に、トイレはもちろん、風呂、洗濯などが生活していく上で必須となる中で、一番大事なのは水だと痛感した。そのときに群馬県が出したトイレトレーラーは民間の給水車が同行していたようである。今回のトイレコンテナは浄水装置を搭載とのことだが、給水はどのようになるのか。

◎飯塚 危機管理課長
トイレコンテナに水は必要だが、汚物を取り除いた水を浄化装置で浄化し、再びトイレを流す水に使えるため、一度の給水で4,000回程度は使用できる。トイレトレーラーでは、一度の給水で1,200回~1,500回しか使用できないため、トイレコンテナの給水は、トイレトレーラーと比べ少なく済むと考えている。

◆松本基志 委員
給水車もそれほど使わなくてよいようである。また、バリアフリー仕様とのことであり、避難所トイレはバリアフリー化が非常に大事なのでとても良いと思う。また、トイレコンテナは4tトラックで運搬可能で迅速に被災地に入れるとのことであるが、運搬用のトラックはどのように手配するのか。

◎飯塚 危機管理課長
運搬用のトラックは、県トラック協会との協定に基づき手配したいと考えている。

◆松本基志 委員
今後は市町村に導入とのことで、今年度は高崎市がトイレトレーラー2台、みどり市がトイレトラック1台を導入などだんだん広がっている。先ほどの答弁でも財源は起債を使ってとのことだったが、財政的支援も是非考えていただきたい。
最後に、国土強靱化地域計画について、自主防災組織率93.5%、防災アドバイザー市町村設置率94.3%で、ともに進捗度Cだが、残っている市町村は2町村のみとのことである。だが、組織率と共に大事なのは、自主防災組織が実際の災害時にどれだけ動ける体制になっているかである。市町村が所管とは思うが、自主防災組織の災害時に実際に動ける体制づくりについて、県としてどう考えるか。

◎飯塚 危機管理課長
自主防災組織を実際に動ける組織にすることが重要であり、そこで活用が期待されるのが地域防災アドバイザーである。三段階のスキルアップ研修などを通じて、防災アドバイザーと地域の自主防災組織をマッチングし、組織の活性化にもつなげていきたい。

◆松本基志 委員
スキルアップについて、県でかなり取り組んでもらっており、実感もしている。
また最近、地域防災アドバイザー養成講座を受けたいが定員が少なくて受けられない、という相談があった。定員の数を増やしてはどうか。

◎飯塚 危機管理課長
現在、電子申請での受付を可能とし、市町村からの推薦も不要としたところ、今年度は定員を超える応募があったことから、抽選とした。来年度以降、講座としての適正な人数を検討しながら、日本防災士機構とも相談し、講座の開催方針を決定していきたい。

◆松本基志 委員
防災に関心を持っている方が増えている。希望した方が受講でき、資格が取れ、地域で活動できるような体制づくりをお願いしたい。

◆加賀谷富士子 委員
災害対応組織力強化については、消防等以外にも、地域の建設業における災害対応組織力の強化が必要だと考えるが、県の取組について伺いたい。

◎剣持 建設企画課長
災害対応組織力を維持するためには、建設業者の安定的な企業経営が成り立つことが前提であり、地域密着型公共事業量を一定程度確保することが必要であると考えている。そのため、現在改定を進めている次期県土整備プランでは、地域ごとの災害対応組織力の維持という観点を新たに盛り込み、地域密着型公共事業量を確保していくこととしており、単に建設業の経営を支えるだけでなく、将来の災害に備える基礎を築き、県民の安全・安心にもつながるものと考えている。

◆加賀谷富士子 委員
県土整備プランに地域ごとの維持も重要な旨を盛り込んでもらい、少し安心した。県内でも、地域により発注量に差があるため、事業数が少ない地域だと10年前にできたことが現在できるか難しいとの話もある。日頃の備えも含めて、建設業界が災害対応組織力を維持できるような政策をお願いしたい。
次に、女性消防団員について伺う。富山県広域消防防災センターを視察した際に、富山県では女性の消防団員が500人くらいと伺ったが、群馬県内の女性消防団員数の状況について伺いたい。

◎植野 消防保安課長
群馬県内の女性消防団員数は、平成24年度に63名であったものが、令和2年度には166人に、令和6年度には198名に増加している。

◆加賀谷富士子 委員
かなり増員されたと思う。ただ、私が調べたところ、全国的に見た群馬県の女性消防団員数の状況は令和5年10月1日時点で全国ワースト5位くらいに入り、女性消防団員の採用消防団数で見ると全国で一番低いようである。群馬県は全国的に見て女性消防団員の人数が少ないと思うのだが、今後の女性消防団員の確保について伺いたい。

◎植野 消防保安課長
消防団員全体は減少傾向にあるが、女性消防団員や学生消防団員など増加している要素もある。災害対応等においては女性の視点も大切なことから、今後も市町村としっかり連携しながら、様々な方法により女性消防団員の確保の取組を進めてまいりたい。

◆加賀谷富士子 委員
災害対応等で女性の視点は非常に重要であるため、女性の消防団員が増えるように取組をお願いしたい。

◆穂積昌信 委員
災害時の透析医療について伺いたい。透析患者の方は2~3日に1度透析を受けられなければ命に関わるという状況である。県内あるいは他県で大きな災害が起きたときでも透析患者が医療を受けられる環境が必要であるが、透析を受けるための医療機関と医療機器はもちろんだが、そのほかに透析液を作るため1日一人当たり120リットルもの水が必要であり、例えばその医療機関が1日100名を診るとすれば1日12トン(12,000リットル)、それ以外にも様々な処理に必要な水を含めて、20トン弱もの水が必要となる。県内の透析患者数と、透析患者が被災した場合の支援体制や近県との連携について伺いたい。

◎佐藤 医務課長
県内の透析患者数は、令和4年12月末日現在、6,281名である。透析には、治療するための専用の機械、大量の水、電気が必要となる。災害発生時に機器の破損、電源の喪失、断水となると、医療を提供できない状況になる。災害時の支援体制について、県では、群馬県災害時透析医療マニュアルを策定しており、県災害対策本部内に設置した透析調整本部において、被災状況や支援を要する患者数などの情報を収集し、患者の受入調整を行う。また、県内だけで対応できない場合は、広域関東圏の8都県で受入調整を行い、速やかに安全な透析医療を提供する。

◆穂積昌信 委員
いろいろと連携をしており、少し安心した。
どこで災害が発生するか分からない中で、災害時にその透析医療機関が、普段受け入れている患者数のほかに、どの程度プラスアルファで受け入れられるかは、把握できるのか。

◎佐藤 医務課長
常時把握をしていないが、災害時には各透析医療機関において、患者当たりの透析時間や透析の間隔を個別に調整し、医療を提供する。

◆穂積昌信 委員
もう一点、水の確保についてだが、断水時の備えで地下水を活用する病院もあるように聞くが、水道設備について災害時に水道水をしっかりと確保できる状況にあるか。

◎浅見 食品・生活衛生課長
各市町村では透析病院を含め、災害拠点病院などを重要給水施設と位置づけている。災害時にも水の確保ができるよう、各水道事業者において病院などの重要給水施設へ接続する管路等の耐震化を進めている。

◆穂積昌信 委員
各市町村とともに引き続き連携を取ってもらいたい。
次に、大事なことだと思い、取り上げさせてもらう。太田市長がXの投稿で、令和元年の台風19号による地元被災時には、市職員が床上浸水などの被害家庭の手助けをした、畳上げや土のかき出し、消防団員も総出で環境整備をした、とあり、その後に、能登についても県庁職員の半分くらいが現場に行って手伝いをすれば、ボランティアを待っていなくてもと思う、と書いてあった。群馬県で災害が発生した場合に、ボランティアを待たずに県職員が復旧作業の手伝いをすることは可能か。

◎飯塚 危機管理課長
災害発生時に、県職員による地域での作業支援について定めたものはない。大規模災害発生時には、各部局での災害対応業務に従事することとなるため、まずはその業務に集中して取り組むこととなる。

◆穂積昌信 委員
そういう回答になると思う。ボランティアを待たなくても県庁職員が半分出ればいいと、太田市長はいろいろと実情を分かっている中で発言していると思ったので、お話をさせてもらった。

◆伊藤清 委員
群馬県建設業協会との「災害応急対策業務に関する協定」について伺いたい。有事の際には初期の行動が一番大事である。直行できるのは地元の建設業界の方々であり大きな責任を負っていることが多いと思う。群馬県建設業協会との協定に基づく運用はどのようになっているか。

◎剣持 建設企画課長
群馬県建設業協会長と群馬県知事の間で「基本協定」を締結するとともに、土木事務所別に「細目協定」を締結し、それらに基づき、災害時の応急対策業務に従事していただいている。

◆伊藤清 委員
地域によって建設業者の規模がいろいろである。建設業協会が調査した業者へのアンケート結果が冊子になっており、重機の保有台数や人数、1時間以内に現場に行ける動員数などが載っている。それによると、小規模な業者は、いざというときに業務が回らず、大規模な業者はそれなりの対応ができることが分かる。答弁では、地域ごとに細目的になされているとのことであるが、いざというときに、どのような守備範囲に対応できるのかは、把握しているのか。

◎剣持 建設企画課長
基本的には細目協定に基づき、災害が発生した土木事務所管内の建設業者が対応するが、災害の規模が大きく、管内業者では対応できない場合は、建設業協会本部とも協議した上で、広域的な災害対応を行う必要があると考えている。

◆伊藤清 委員
細目協定にのっとるとのことであり、災害の規模に応じた対応も必要なのだろうと思う。
県外調査で国土交通省北陸地方整備局富山防災センターを視察した際に、重機、ポンプ車、給水車等が整備されており、有事の際には建設業協会等との協定により、運転等の対応ができるオペレーターが確保できると説明があった。地方整備局とは違うわけだが、群馬県として、県内にある建設業者等の把握をした上で、災害規模が大きなときには、建設業協会へ連絡を取って、そこから回してもらうという、そういうシステムであると理解してよいか。

◎剣持 建設企画課長
関東地方整備局と各県との災害協定に基づき、広域的な支援をお願いすることとなるが、建設業協会とも調整のうえ、県土整備部が窓口となり関東地方整備局に要請することとなる。また、関東地方整備局が自ら、被災地へテックフォースを派遣して被災状況を把握し、支援の判断をするケースもある。

◆伊藤清 委員
大規模災害になれば地方整備局等に要請をかけられるとのことである。
私の地元でも過日の豪雨で山が崩れ通行止めや法面崩壊などもあった。そういう場合にいち早く復旧するために地元の建設業界の方々に御苦労いただき撤去してもらったという事例がある。いち早く頼りになるのは地元の建設業界と言える。建設業界でも、限界工事高があり、厳しい時代の中で生き残るためには、それなりの受注量を持たないと会社自体が無くなってしまい、いざ対応の際に地元としては困ることになる。災害時の応急対応を担う地域の建設業者を維持するためには受注量の確保が重要だが、どのように考えているのか。

◎剣持 建設企画課長
現在、改定を進めている次期県土整備プランにおいて、地域ごとの災害対応組織力の維持という観点を新たに盛り込み、地域の建設業者の経営が持続的に成り立つような事業量を確保するという考えに基づき「地域密着型公共事業量」を確保していきたいと考えている。このことは単に建設業の経営を支えるだけではなく、将来の災害に備える基盤を築き、県民の安全・安心な暮らしを守る地域防災力の強化にもつながると考えている。

◆伊藤清 委員
まさにそのとおりであると思う。災害レジリエンスNo.1を目指すためにも、よりしっかりと充実した受注量等で建設業組織を育成してもらいたい。
次に、災害応急対応業務中に人身事故等が発生した場合の対応はどうか。

◎剣持 建設企画課長
協定に基づく災害応急対応業務でも、契約に当たっての県の積算において、現場管理費として法定外契約分も含む労災保険料を計上している。また、群馬県土木工事標準仕様書において、受注者は、法定外契約も含む労災保険に加入するとともに、業務中の負傷や死亡等に対して適正な補償をすることとしており、受注者の労災保険による対応となる。

◆伊藤清 委員
あってはならないが、災害時は何が起こるか分からないので、その辺りが協定の中でしっかりと列記された中で、双方が内容を承知した上で、災害現場に入っていただきたいと思う。
国土交通省地方整備局や消防、自衛隊、警察等の派遣もあると思うが、災害時にいち早く現場に入るのは地元の建設業者である。災害対応力を強化するためには、もちろん今もしているとは思うが、防災会議やいろいろな協定などの段階から建設業界の方も参入していくような、新たな仕組みづくりが大事と考えるがどうか。

◎剣持 建設企画課長
関東地方整備局や建設業協会、測量設計業協会も関連する分野となるため、それぞれの団体等と意見交換するとともに、能登半島地震での教訓も生かしながら、災害協定の見直しなど、必要な対応を検討して参りたい。

○井田泉 委員長
先ほどの穂積委員の質問で、災害時に県職員が復旧作業を手伝うのは可能かという質問があったが、危機管理監にひと言いただきたい。

◎高原 危機管理監
県職員には、災害対応としてやるべき業務があり、その業務を最優先で進めることが責務である。本来業務に支障のない範囲で任意に実施することは可能であるが、業務として従事させるのは難しいと考える。

○井田泉 委員長
以上で質疑を終了いたします。

△その他

○井田泉 委員長
次に、委員会調査の実施につきまして、本委員会の県内調査を、11月19日(火)の日程で実施したいと考えております。なお、調査内容等、詳細については、正副委員長に御一任いただいてよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)

○井田泉 委員長
それでは、さよう御了承願います。なお、決定した内容等については、別途、通知いたします。
そのほか、何かございますか。
(「なし」の声あり)

△散会

○井田泉 委員長
以上をもちまして、本委員会で審議すべき案件は終了いたしました。
本日は、これをもって散会いたします。

(午前11時41分散会)

委員会記録署名委員
災害対応力強化に関する特別委員会
委員長 井田 泉