令和2年第1回定例会厚生文化常任委員会(こども未来部、健康福祉部及び病院局関係)
令和2年3月11日
—以下引用—
◆松本基志 委員
保育人材確保について伺いたい。保育士・保育所支援センターの設置が新年度は見送られたが、検討の経緯はどうか。
◎森平 子育て・青少年課長
保育士・保育所支援センターは群馬県を含めた4県を除いて、各都道府県に設置されている。本県についても設置の検討を行った。しかし、保育士有効求人倍率は全国平均3.64と比較して、本県は1.45と低く、保育士不足が逼迫している状態とはいえず、現段階では設置に至らなかった。今後の情勢を見ながら、引き続きの検討課題としたい。
◆松本基志 委員
冒頭に部長から潜在保育士の復職支援を行うといった話があったが、今後の保育士確保に向けた取組はどうか。
◎森平 子育て・青少年課長
本県の保育士不足は有効求人倍率に全て現れているとは言えず、現場ではなかなか就職に結び付かないとの意見も多い。そのため、これまで実施してきた就職説明会や高校生向けのバスツアーを継続して実施するとともに、来年度からは新たに潜在保育士を支援するための事業として、再就職希望者の復職に役立つ実践的な研修や保育所等に2年間勤務すれば返済が免除される就職準備金貸付事業を実施し、潜在保育士の復職を支援する。
◆松本基志 委員
現場の施設長や園長からは人材不足の話を聞いている。昨年度に実施されたアンケートでは、保育に携わりたい方がかなりいた。令和2年度は、ぜひもう一段踏み込んだ取組を検討いただきたい。
介護人材確保対策についても伺いたい。令和2年度には新規事業が複数予定されているが、どのような取組を行うのか。
◎佐藤 介護人材確保対策室長
介護人材確保対策のうち、新年度から新たに取り組む4つの事業について、一つ目は「介護職員初任者研修支援」で、介護に関して最も基礎的な資格である初任者研修の修了者の確保を図るため、市町村が研修修了者に対し受講料を補助した場合に、その経費の一部を県が支援しようとするものである。
二つ目は「外国人留学生への奨学金支給支援」で、介護の専門職を志す留学生の受入れを促進するため、介護事業者が奨学金として留学生の学費や生活費を支給した場合に、その経費の一部を県が支援しようとするものである。
三つ目は「外国人介護人材受入れ施設等環境整備」で、技能実習生や特定技能などの外国人介護人材の受入れや定着を促進することを目的として、介護事業者が外国人介護人材に対して行う日本語能力の向上や資格取得のための学習支援、生活支援を行うための経費の一部を補助しようとするものである。
最後は「介護職員に対する悩み相談窓口設置」で、介護職員から職場環境の悩みなどの相談に応じることにより、離職防止と職場定着を図ることを目的とするものである。介護の現場経験の長い者を専門の相談員に据えて、週3日間専門の窓口を設置し、電話や面接による相談を行う計画としている。
これら新規事業を始め既存事業についても効果的な執行を図り、介護人材の確保と定着に一層取り組んでいきたい。
◆松本基志 委員
「介護職員に対する悩み相談窓口設置」では、どこに相談窓口を設置するのか。
◎佐藤 介護人材確保対策室長
検討中であるが、社会福祉法人等に依頼する形で準備を進めている。
◆松本基志 委員
今回、いろいろと新たな取組を進めてもらうが、ぜひがんばっていただきたい。
群馬県がん対策推進条例の一部改正についても伺いたい。AYA世代、15歳以上40歳未満のがん患者への医療提供体制や相談支援等の体制の充実を図るとのことだが、具体的にはどのような取組を行うのか。
◎小林 がん対策推進室長
働く世代のがん患者支援として取り組んでいる治療と仕事の両立支援に加え、がん治療が将来妊娠に与える影響や生殖医療などAYA世代特有の課題に対し、がん診療連携拠点病院等の相談支援センターがしっかりと対応できるよう、新たに医療従事者を対象とした研修会のほか、AYA世代のがん患者向けの講演会等の実施を考えている。
◆松本基志 委員
本当に有り難いと思うが、AYA世代のがん患者への情報提供はどのような方法で行うのか。
◎小林 がん対策推進室長
県のホームページやがん患者向けに作成しているがん情報の冊子により、卵子の凍結などの生殖医療の最新の情報やAYA世代のがん患者向けのがんサロン開催状況などの情報を提供したい。
◆松本基志 委員
ぜひがんばっていただきたい。
もう一点、県内のがんゲノム医療の推進を掲げているが、その実施状況はどうか。
◎鹿沼 がんセンター院長
がんセンターでは昨年の6月からがんゲノム診療をスタートさせたが、令和2年2月末現在で診療実績は65例となっている。このうち、19例が新たな治療に結び付いており全体の約3割であった。全国と比較しても高い実績となっている。これからも、検査の過程で副次的に見つかる遺伝性のがんにも対応するなど、がんゲノム医療の充実に努めていきたい。
また、AYA世代のがん患者に対しても、カウンセリング等の充実を図っていきたい。
◆松本基志 委員
がんゲノムについては昨年末に高崎の講演会に参加したが、最後の砦になっていると思う。ぜひ、令和2年度も充実させていただきたい。
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◆松本基志 委員
群馬県社会的養育推進計画に社会的養護自立支援事業が記載されているが、2年経過したことを踏まえ、その内容と実績を教えてほしい。
◎藤巻 児童福祉課長
児童養護施設等を退所した児童は、様々な生活上、就業上の問題に直面することがある。このため、昨年度から社会的養護自立支援事業を専門的なスキルやノウハウを持つ一般社団法人に委託して実施し、様々な相談に応じるとともに彼らが集まり交流する場を提供している。
実績は、平成30年度の相談件数が延べ929件、今年度は昨年12月末までで延べ987件と増加傾向にあり、事業が根付いてきたと感じている。これらの中には、電話等によるアドバイスだけでなく、様々な行政サービスを利用するために行政機関に同行したり、心身の不調を訴えながらも医療機関に1人では受診できない方の付添いをするなどの直接的な支援も含まれている。
◆松本基志 委員
実績を聞き、かなりの数があるという印象を受けた。委託先や場所はどうか。
◎藤巻 児童福祉課長
一般社団法人ヤング・アシストの一カ所に事業を委託している。場所は前橋駅の近くである。
◆松本基志 委員
かなりよい制度だと思う。群馬県社会的養育推進計画に、もう少し具体的に記載した方がいいと考えるがどうか。
◎藤巻 児童福祉課長
この計画は、里親委託の推進等社会的養育が必要な児童をより家庭的環境で養育するための方策等を取りまとめたものである。社会的養護自立支援事業についても一部記載しているが、これも重要な対策であると考えており、もう少し詳細な記載について検討してまいりたい。
◆松本基志 委員
ぜひ、その方向でお願いしたい。
第2次群馬県手話施策実施計画案について伺いたい。数値目標となっている県手話通訳者認定試験年間合格者数を増やすため、どのような取組を行うのか。
◎井上 障害政策課長
県では新たな取組として、手話奉仕員等に手話通訳者の魅力を知ってもらうためのセミナー開催や、群馬大学が実施している手話通訳者養成研修プログラムの活用、前橋以外での養成講座実施会場の拡充を予定している。
◆松本基志 委員
数値目標を見ると、高い目標を掲げていてよいと思う。手話奉仕員養成講座の受講者をどれだけ増やせるかがポイントだと思う。手話言語条例が成立して手話通訳者の需要は増えていると思うので、ぜひ目標達成に向けてがんばってほしい。
新型コロナウイルス感染症に関する知事記者会見に手話通訳者を付けるべきと考えるがどうか。
◎井上 障害政策課長
知事記者会見に手話通訳者を付けることについては、現在、所管の広報課や県聴覚障害者連盟内にある手話通訳派遣事務所と調整を行っているところである。
◆松本基志 委員
知事の記者会見に限定せず、動画などでも手話を入れる取組をしっかりしてほしい。また、所管外になるかもしれないが、新型コロナウイルス感染症に関して県が把握している確かな情報をどこかで出してほしい。