「学校」から「地域」へ

学校部活動の地域移行について意見を交わす松本県議

学校部活動の地域移行について意見を交わす松本県議(左)と小出さん。高崎の「高いポテンシャルを生かしたい」と熱く語りあう

部活動の充実目指して

小中学校のクラブ活動が変革期を迎え、校内の活動から各市町村の実情に応じた地域連携や地域移行への取り組みが始まっています。松本基志県議は11月の県議会第3回後期定例会の一般質問で、県教育長に「学校部活動の地域移行の現状」と県スポーツ局長に「地域移行に必要となる受け皿づくり」をそれぞれ尋ねました。

教育長は、新町スポーツクラブ理事長でスポーツ庁地域スポーツクラブ活動アドバイザーの小出利一さん(65)が7月から10月に県内35市町村を訪問し、市町村ごとに多様な試みが進んでいる状況を確認したことを紹介しました。

その上で、教育長は「地域の実情に応じ、生徒が主体的に選び、スポーツや文化芸術活動を充実できるよう取り組みたい」と答弁。スポーツ局長は「スポーツ少年団、民間事業者、大学などさまざまな団体が受け皿となると想定される。指導者を登録する人材バンク設立の準備も進めている」と語りました。

◇「やりたい」で人生豊かに!地域の〝得意〟も大切です。

松本県議と小出さんは旧知の仲。県議は「部活動の地域移行は避けて通れない。根本的な原因をどうとらえているのか」とあらためて確認。小出さんは「小中学生の人数が県内各地で激減しており、野球をはじめ集団競技のチームが学校単位では作れない」と問題の根本を語ります。

ドイツにある地域スポーツクラブを手本として日本版の地域クラブを育成して、活動を地域で支える意識を育て、子どもらが「自らやりたい競技」を学校ベースでなく地域で挑戦できる環境づくりが目標。県議が「高崎のポテンシャルと可能性はどうか」と聞くと、小出さんは「高崎はソフトボールやテニスの施設が充実している。人口も多く、ポテンシャルは高い。しっかり生かしてほしい」と強調しました。

嬬恋のスケート、草津のスキーを例に「各地域はそれぞれ盛んな競技があり、6年後の国スポ開催に向けても地域と学校が一緒になって活動する仕組みが必要であり、国スポを支える組織にもなり得ることから、地域クラブ活動の育成は急務である」とも指摘します。

部活動の学校から地域への移行は一生涯、運動を続けられる基盤につながります。小出さんは「地域移行の大切なポイント」と強調します。

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